デモ隊と警官が葬儀が終わるまで膠着状態に
ヘルメットをかぶった集団が先頭に立ち、シュプレヒコールをあげながら行進する。九段下交差点が近くになると、彼らはお互いの腕を組みスクラムを組みながら行進していた。九段下交差点を通過する際には、警官たちがガードしていたが特に何事もなく通過。交差点近くで国葬反対派に食ってかかる人もいたものの、大きな混乱もなくデモ行進はゴールへ到着した。
デモ終了後は各自で抗議活動が予定されていたが、公園を大量の警官に取り囲まれているためなのか、ヘルメットを脱いで少し休憩すると、そのまま九段下交差点へ向かっていく。このままだと警官たちと衝突するのではと思っていたら、案の定交差点の手前でもみ合いになり、葬儀が終わるまで膠着状態になってしまった。
九段下交差点の辺りでは小規模な抗議活動が頻繁に起こり、警官たちの苛立ちも高まったのか、周りで撮影していた記者たちも警官たちに押しのけられた。筆者も記者証を着用していたが、デモの記録係と間違われ複数の警官に掴みかかられるハメになった。記者証に気づいた警官はバツが悪そうにどこかへ行ったが、かなり不愉快な気分にさせられることに。
安倍元首相の政治家としての影響力は、やはり大きかった
時間は献花受付終了時刻の16時を回っていたが、途切れることのない献花客と勤め先や学校帰りの人出も相まって、靖国通りはまだごった返していた。
献花客の列を見ていると、献花客の一人が報道陣に向かって「おい! こっちも撮れよ! 3時間も並んでるんだぞ!」と叫んでいた。訪れるひとには安倍元首相を偲ぶ国民も多いが、一生に一度あるかないかのイベントとして捉えている人が多く感じられ、国を挙げてのお祭りのような雰囲気もあった。
安倍元首相は以前から賛否両論を起こしてきたが、亡くなってもまだまだ議論を巻き起こすのだから、やはり政治家としての影響力が大きかったのは間違いない。その様々な議論を終わらないまま亡くなってしまったのは、日本にとっては大きな損失だろう。
写真=八尋伸
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