2度却下された「保釈請求」が認められた理由
この日の初公判の3週間ほど前には、意外な展開もあった。
「逮捕後、田中は2度にわたり、保釈請求を行ったものの、いずれも却下されていた。判決直後に使用していた経緯からして、当然の判断でしょう。ところが3度目の請求は認められ、9月2日に保釈されたのです。保釈保証金は使用300万円、所持300万円で、計600万円でした」(同前)
なぜ、“3度目の正直”が認められたのか。
「弁護側が『薬物治療のための入院をしたい』などと申し立て、保釈後の制限住居についても千葉県の病院を指定したとされます。実際、入院が保釈条件だった。弁護側としても、薬物治療に専念していることを強調し、情状酌量を求める戦略なのでしょう」(同前)
さらに、田中側は“実刑回避策”と見られる一手を打っていたという。
「“再犯”なので、1年6カ月程度の実刑判決が下るとされていますが、実は名古屋での判決は確定していません。田中は執行猶予を得たにもかかわらず、7月4日にはこの判決を不服として控訴していた。つまり今回の事件が“初犯”扱いとなり、再び執行猶予が付く可能性が指摘されているのです。ただ、これらの状況を踏まえた上で、裁判官が田中の反省度合いなどをどう判断するのか。そこにかかっているでしょう」
判決は12月13日に言い渡される予定だ。