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近未来アニメの世界観を独自に再現

 仕事が車の設計関係なので、それを知っている人からすれば、「スクラップ状態の車でも簡単に直せるんだろう」と思われがちなんですが、この車に関しては、仕事で得た知識は正直あまり役に立っていませんね。もう完全に趣味として、イチから色々覚えて直していった感じです。

 でも、自分で直している分、費用的にはそこまでかかっているわけではないんですよ。多分金額としては、全部で300万円くらいじゃないですかね。お店に任せたら余裕で4ケタにはなると思いますけど……。

通常のドアはなく、戦闘機のような「キャノピー」から乗り降りする

 自分でやるからにはとことん趣味を突き詰めたいと思って、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』というアニメをイメージしたギミックも搭載しています。1991年に放送されていたアニメなんですが、2000年代の世界という劇中設定なので、登場車両に近未来的なモニターが搭載されているんですね。なのでこの車も、劇中と同じ画面が表示されるよう自分でプログラムしました。

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 こういう車に乗ろうと思ったのは、親の影響も大きかったんだと思います。父がバイクと車、母がスーパーカー好きで、もともと「キットカー」の存在も母親から教えてもらったんですよ。昔から、親には「どうせ弄るなら、ワケわかんねぇ車を弄れ」という風に言われていて。「フェラーリとかポルシェとか、本物のスーパーカーは見てすぐに車名がわかるし、いくら速かろうが、ベースの性能ありきじゃないか」と。

コクピットには近未来的なモニターが並ぶ。左側モニターの始動画面は自身でプログラムしたのだとか

 確かに言われてみればそうだなぁと思い、気づけば高校生の頃からこういうキットカーをヤフオクなんかで毎晩探していましたね。ただ、この車を含めて3つ候補があったものの、なかなか市場に出てこないんですよ。ちょうど見つかったのが、大学を出て社会人1年目の時でした。しかも在庫を持っていたのが近所の車屋さんで。「安く売るけど自分で直して乗ってね」というスタンスのお店なんですが、ガレージも貸してくれたりして、自分にはピッタリでしたね。