1ページ目から読む
2/4ページ目
「俺は1つの恋愛で2度楽しめるんです」
林下 たぶん、たまたまそれがスイッチになっただけで、別れる要素は他にもあったと思うんですよ。些細なことばかりかもしれないけど、積み重なったものが。それに、相手が「もう別れる」と言っているなら、それを追及しても仕方がないですからね。「はい、わかりました」と言うしかないです。
――それにしても、入籍していないとはいえ、8年も付き合った相手との別れは、心境的にはもはや8つ目のバツがついたようなものではないですか。
林下 いいこと言いますね。実際そうなんですよ、気持ちの上ではファミリーだったわけですから。何なら、人生で最初に嫁さんにもらいたいと思った女性だって、結婚はできなかったけど、俺の中ではバツの勘定に入れたいくらいです。
――そうした傷心を感じさせず、「余韻を楽しんでいる」というのがダディらしくていいですね。
林下 つまり俺は1つの恋愛で2度楽しめるんです。まるでグリコみたいな恋愛の仕方ですよね。寂しいという感情がないわけではないんですが、寂しいのは人間として当たり前なので受け入れているというか。
考えてみると、人生には寂しさに端を発していることがたくさんあるんです。友達を作るのもそうだし、家族を持つこともそうだし、宗教なんかもそうかもしれない。でも、人生とは寂しくて当たり前だと思っていれば、その辛さは半減します。
そもそも他人に自分を理解してもらおうと考えること自体がおこがましいんですよ。57年生きてきた俺が自分自身をまだわからずにいるのに、赤の他人のことなんて理解できるわけがないですからね。
――ちなみに、過去に別れた女性たちとは、今も連絡を取っているんですか?