世代を超えて受け継がれる“国民的おやつ”に
――お客様の要望のハードルがどんどん上がって、250%以上を求める声も出てきそうですよね。
林 250%以上は難しいかもしれません。そもそもお煎餅に付着するパウダー量に限界があるので、一定量を超えるとパウダーが付着しなくなって、食べているときにポロポロとこぼれてしまうのです。それにこれ以上やると「どこまでパウダー増量を追求するんだ?」というお声も聞こえてきそうですし(笑)。
――そうした変わり種も含めて、「ハッピーターン」シリーズはもはや“国民的おやつ”として世間に認識されているように思います。
林 ハッピーターンの購入層は「お子様を持つ家族世帯」が軸になっています。子どもの頃ハッピーターンに親しまれた方が、大人になって子どもが生まれて親となることで、今度は親子で食べていただけるようになる、ということが多いです。実際に、お客様への調査や直接寄せられるご意見などでも、こうした声をいただいていることから、世代を超えて受け継がれていってるのだなと感じます。
SNSを中心に美味しい食べ方なども発信
――商品を大きくPRしたり、イメージキャラクターに依存したりしなくても認知度が高い印象です。積極的にPR活動はしていないのですか?
林 実は時々PRをしているんです。リニューアルのタイミングなど、お客様にお伝えしたいことがある時にはCMを流して宣伝をしています。
また昨今は、SNSを中心に美味しい食べ方なども発信しています。お客様からの反応も楽しく、工夫を凝らした食べ方をしている人がいて、ブランド担当者としても新たな発見を得る日々です。
――百貨店とのタッグを組んだ商品発売もしているそうですが。
林 阪急百貨店様とのお取り組みで、和洋さまざまなフレーバーを楽しめる「ハッピーターンズ」というショップを展開しています。そのショップでは、スーパーやコンビニエンスストアで販売している通常の商品とは違う、ちょっと特別な味わいの商品開発に挑戦していますね。
2012年から阪急うめだ本店に専門店を出店し、現在は神戸阪急、博多阪急、阪急オンラインショッピングでも販売中です。新たなPRの一環として、こうした取り組みも今後さらに展開していきたいです。
撮影=佐藤亘/文藝春秋