国が強制した“不妊手術” 「不良な子孫の出生を防止」とした旧優生保護法
六法全書に記載している「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的とした「旧優生保護法」。わずか26年前まであった法律だ。
この法律の下、障害のある人たちが子供を産めなくする不妊手術や中絶手術が行われていた。不妊手術をされた人の数は分かっているだけで、約2万5千人に上る。
この考え方は、教育の場にも持ち込まれた。「高等学校学習指導要領解説 保健体育編」という本は、妻・花子さん(仮名)が手術を受けた当時、文部省が発行した高校教員に向けた指導要領の解説書である。
「心身に特別な異常をもつ子孫の出生を防止し、母性の生命や健康を保護することを目的とした優生保護法に触れる」
過去の一時期、この法律を生徒たちに触れさせるよう、教員たちに求めていた。このような記述は1970年代後半まで続いた。
障害のある人は子供を産んではいけない…。そういった差別を、国が推し進めていったのだ。
“不妊手術”から50年…国との闘いは今も 立ちはだかる「除斥期間」の壁
「子供ができないのは国が作った法律のせいだった」…そのことを知った2人は3年前、国に対して損害賠償を求める訴えを起こした。
しかし、2人の前に立ちはだかったのは、“除斥期間”という壁だった。
除斥期間とは、「損害賠償を求める権利は不法行為から20年で消滅する」ということで、つまり、2人には「もう訴える権利がない」と国が主張してきたのだ。
大阪地裁は、判決で「旧優生保護法を憲法違反」と認めたものの、この“除斥期間”の規定を適用して、野村さん夫婦の訴えを退けた。
だが、2人は「子供が作れなかった悲しさは今も消えていません。それを一律に20年過ぎたからといって、損害賠償請求が棄却されるのは納得できません」と控訴した。
国を訴える権利は守られるのか…。




