――ハリウッド俳優のウィル・スミス、ジェニファー・ロペス、マーゴット・ロビーらの演技コーチですね。
のん はい。すごく自分にフィットしたみたいで、最短距離で役に辿り着けるというか。私は現場では役に縛られるんじゃなく、役として自由でありたいんです。そのためにはあらかじめ役をよく理解していなくちゃいけない。
事前に役の背景をしっかり掴んで、「この台詞のときはこういう感情かな?」とか「ここは台詞とは裏腹な気持ちだよな?」とか、台詞を読み解いた上で演じているんですね。
台本というのは役者が100人いたら100通りの読みかたがあると思うんですが、どう解釈するかで深みも広がりも変わるので、めちゃめちゃ繊細に読むよう心掛けています。
あとは現場で共演のかたと合わせたとき、五感を働かせながら役を動かしていくことも大事にしていますね。
来年7月で30歳に。20代をひと言で振り返ると…
――のんさんは来年7月に30歳を迎えます。まだ少し時間はありますが、20代をどう生きてきたか、ひと言で表すとしたら?
のん …「壮絶」ですね(笑)。この年にしてはかなりガッツのある20代だったと思います。私は自分の演技が大好きで、それを守りたいという意識を強く持ち続けてきたので。自分の才能を死なせないために、自分で選んだ道を全力で突き進んできたというか。
――俳優以外にも、アートや音楽など、小さい頃からずっと興味があった活動もスタートさせましたね。
のん 自分が好きだったことを全て始められた20代だったと思います。自分から率先してやりたいことを掴んで、模索して、発信してこられて。役者としても「これだ」と思う作品にいくつも巡り会えたし。壮絶だったけど、充実していたんじゃないかな。とても恵まれた20代でした。本当、今振り返ると良かったなあと思うことばかりですね。
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作品以上に恵まれたのは心から尊敬できる先輩たちとの出会いだった、と語るのん。今も強い影響を受けている女優たちは…。(#2へ続く)
ヘアメイク 菅野史絵(クララシステム)
スタイリング 町野泉美
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。