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「レストランに関する投稿のほとんどがタイアップ案件なんです。本文にはしっかりとお店のURLを記載し、特定のハッシュタグを付けているのですが、肝心の投稿ラベルにタイアップである旨の記載がありません。これは芸能人として、インフルエンサーとしての自覚が欠如していると思います」(同前)

熊田のインスタグラムに起こった異変

 インフルエンサーがSNSで絶賛する飲食店に行ってみたら、たいして美味しくはないし、サービスも悪かった……そんな経験を持つ人も多いだろう。ふたを開けてみれば、インフルエンサーの「絶賛」は、企業からの依頼を受けての投稿で、心からの絶賛ではなく単なる「お仕事」だった――これが、かねてからインスタグラムをはじめとするSNSでたびたび炎上してきた「ステルスマーケティング(ステマ)」だ。

URLははっきりと記載されている(本人Instagramより)

 企業の宣伝であることを隠し、口コミを装うステマは広く社会問題になっている。欧米では法的に規制されており、日本でもようやく消費者庁が重い腰をあげステマに対する法整備の検討に入っている。

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 だが、現状はステマの規制は各人各社の意識に任されている。もちろん各SNSは対策を強化している。インスタグラムでは2021年10月に規約を改定し、企業からの依頼で投稿を行う際には“タイアップ投稿タグ”を設置することを義務づけた。ある有名インフルエンサーが言う。

「自分自身、これまで企業案件を投稿する際は“#PR”といったハッシュタグを付けたり、テキストで広告案件である旨を記載することで、当該の投稿がタイアップであることを明確にしていました。昨年インスタグラムが導入したタイアップ投稿タグは、特定の設定を行えば、投稿された写真の上に“タイアップ投稿”という文言が表示されるようになり、“案件”であることがより分かりやすくなっています」

インフルエンサーが気をつけるべきこと

 インスタグラムのブランドコンテンツポリシーでは、タイアップ投稿を以下のように定義している。

《ブランドコンテンツポリシーでは、ブランドコンテンツを投稿する際にタイアップ投稿ラベルを使用することが義務付けられています。FacebookおよびInstagramでは、ブランドコンテンツを、クリエイターやパブリッシャーが対価を受けて直接的、間接的にビジネスパートナーを取り上げたコンテンツであると定義しています。これには、無料で提供された製品やサービスを取り上げるコンテンツが含まれます》

「つまり、企業や第三者がなんらかの便宜をはかった上でなされる投稿は、すべてタイアップであるということです。対価をもらって投稿する場合、ちゃんとタイアップ投稿であることを明確にしなさいと言われているんですよね」(同前)