「政府が健康保険証を2024年秋に廃止、マイナンバーカード一本化へ」という件。私は新聞で使われる言葉がとても気になった。

 よく見かけたのが「事実上の義務化」という言葉だ。何だろうそれ。「事実上の強制」でしょう。ちゃんと書いてくれないと困る。

 それにしても政府の「事実上」案件が最近多いことに気づく。

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 9月末に安倍元首相の国葬があったが、当日おこなわれたものを見るとあれは事実上の政府自民党の合同葬だった。首相が十分な説明をしないことで反対の声が増えると、シレっと国葬たる要素を削っていった。岸田首相は故人に対する敬意と弔意を「国全体」として表す儀式と当初言っていたが、最終的に「国全体」は消えた。

©JMPA

《取り繕おうとすればするほど、国葬の性格はあいまいになった。》(毎日新聞9月28日)

 そうしておこなわれた国葬のようなものを国葬と言い続ける。リアルタイムでおこなわれた歴史修正と言っていい。やってしまえばこっちのものという態度が見えた。

マイナンバーカードが普及しない理由は?

 それは今回の健康保険証廃止も同様だ。今年6月に「将来的な原則廃止方針」を掲げていたが急に何があったのだろう。気になった記事があった。8月にデジタル相に就いた河野太郎氏は頻繁に口にしていた言葉があった。