文春オンライン

握手に込めた“相棒”への想い…水谷豊(70)が14年前に語っていた「初代相棒」寺脇康文との“特別な関係”

2022/10/19
note

 水谷豊主演の国民的人気ドラマ『相棒』のシーズン21がついにスタートした。

 今シリーズの一番のトピックといえば、寺脇康文演じる初代相棒・亀山薫の14年ぶりの復帰に他ならないが、それを迎える警視庁きってのキレ者&変わり者の主人公・杉下右京の動向にも注目が集まっている。

 ここでは、俳優・水谷豊について改めて振り返ってみたい。長年にわたって右京を演じ、『相棒』を支え続けてきた水谷豊とはいったいどんな俳優なのか。

ADVERTISEMENT

水谷豊さん ©文藝春秋

14年ぶりの再会にも微動だにしない右京

 2000年の単発ドラマ時代から右京の相棒を務め、2008年~2009年に放送していたシーズン7の第9話で右京のもとを去り、サルウィン共和国へと旅立っていった亀山。

 それ以降、神戸尊(及川光博)、甲斐享(成宮寛貴)、冠城亘(反町隆史)と、事あるごとに右京の相棒は交代していったが、2022年のシーズン21でついに亀山が復帰するという。これぞまさに“原点回帰”と言える展開に、スタート前から視聴者の期待は高まっていた。

 さっそく初回を見たが、約14年ぶりの対面というのに右京は表情を1mmも崩さなかった。そこにいたのは通常運転、いつもの杉下右京だった。

 右京と薫は再会して間もなく、サルウィン反政府運動のリーダー、アイシャ(サヘル・ローズ)の死をめぐる陰謀に巻き込まれていくが、ブランクをまったく感じさせない二人の空気感とやりとりを「これぞ『相棒』!」と感慨深く見守っていた人も多かったに違いない。

ドラマ『相棒』 テレビ朝日公式サイトより

 正確には第1話終了時点でまだ亀山は特命係に復帰していないが、今回の事件をきっかけに再び右京とコンビを組み、事件解決に奔走していくのであろう。

 私は14年ぶりの再会にほとんど、いや、まったくと言っていいほど動じない右京を演じた水谷の芝居に見入ってしまった。確かに右京なら目先のノスタルジーになど安直に浸らず、相手が誰であろうと決して馴れ合うことはないだろう。演技者として彼が提示した「答」はまったくもって正解だと思う。