平昌オリンピックのスピードスケート女子500メートル金メダリストの小平奈緒(35)が10月22日、現役ラストレースとなる全日本距離別選手権に出場。北京五輪で銀メダルを獲得した高木美帆らを抑えて優勝し、有終の美を飾った。
地元長野での引退レースは、切符が完売し、満員の中で行われた。金メダリスト、W杯34勝などの”絶対王者”としてだけなく、その人間性も、高い評価を受けてきた小平。彼女は、どのようなスケート人生を送ってきたのか。「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春」 2018年08月23日 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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2018年2月、平昌冬季五輪の女子スピードスケート個人500メートルで金メダル、1000メートルで銀メダルを獲得した小平奈緒選手。
それから6カ月後。小平は忙しい日々を送っていた。
イベントに引っ張りだこの小平選手
「氷上では『怒れる猫』と呼ばれ、絶対王者として振舞っていましたが、競技から一歩離れればとても可愛いらしい女性。祝賀パレード、春の園遊会、講演、各種イベントと、引っ張りだこ状態が続いています」(スポーツ紙記者)
2011年から平昌五輪まで夏場の自転車トレーニングを指導した、サイクルラインズ代表の幸壬(こうじん)学氏もこう語る。
「五月には結城匡啓(ゆうきまさひろ)コーチ(信州大教授)と一緒に、メダルを持って京都まで報告に来てくれましたが、あまりの忙しさに『ほぼ毎日、何らかのスケジュールが詰まっていて、自分の意思では何も予定が入れられない』と話していました」
8月1日には地元・長野県茅野市のJR茅野駅で一日駅長に。特急から降車してきた人々を「ようこそ、お越しくださいました」と笑顔でお出迎え。一目見ようと集まったファンや親子連れから「奈緒ちゃーん」と声がかかると手を振って応えるなど、すっかりイベント慣れした様子。
「人前で話すのが本当に苦手なタイプでしたが、それも相当克服したように見えますね。彼女も32歳、次の北京冬季五輪については、何も明言していません。いずれスポーツキャスターやタレントになっても充分やれると思います」(前出・スポーツ紙記者)
4年後に言及しないのは、もしかして、結婚なんて話があるからなのか? 母・光子さんに聞いてみた。
「全っ然ないですね、恥ずかしいくらいですよ、あははははは。でもまあ、それは自分がそういう気にならないと始まらないし。すべて本人任せにしていますよ。スケートについては、4年後どうするとか、話をする機会もないですねぇ」