役所からの書類でAの姓が大橋姓に変更になっていた
大橋氏が「うちで一緒に見ますよ」と言ったため、Aさんは母と同じ居室に2月17日に入居。1カ月後の3月17日に、母は83歳で、老衰で死去した。
「実はAの家は不動産を多く保有する資産家。土地価格は10億円を下らず、賃貸マンションも複数所有している。ただ、彼女は自分で資産を管理できない」(同前)
そこで親族が家庭裁判所へ申立をし、Aさんに成年後見人がついたのが、7月8日のこと。しかし――。
7月29日、親族がAさん宅のポストを覗くと、役所から書類が届いていた。
「印鑑登録抹消通知書が届いていて、26日付でAの姓が大橋姓に変更になっていたのです。さらに保険証の苗字も同じく大橋姓になっていた。状況が理解出来ず、すぐ成年後見人に相談しました」(別の親族)
慌てて成年後見人が戸籍を確認すると、何とAさんが大橋氏の“養女”になっていたのだ。
親族はすぐ施設の窓口になっていた大橋医療高等専修学校の副校長に連絡。成年後見人と共に8月7日に、施設を訪問した。だが当日、施設の入り口で副校長が立ちはだかったのだ。
「『面会はできません。今、コロナ(禍)だからダメ』と言って、3時間も外で押し問答を続けましたが、入れて貰えなかった。成年後見人が数日前に川口警察署に状況説明をしていたので、その場で警察に電話したが、対応して貰えなかった」(同前)
その後も親族は何度も掛け合ったが、Aさんには会わせて貰えていない。
「Aには、父と前妻との間に生まれた異母きょうだいがいる。ただ異母きょうだいは遺産を受け取らないと言っている。もしAに何かあった場合、遺産は全て大橋氏にいくのです」(同前)