仕手筋に狙われた“あの企業”が従業員を――。
今年3月期の連結売上高は429億円、東証プライム上場の大手ミシンメーカー「ジャノメ」だ。
「かつて蛇の目ミシン工業事件で、世間を騒がせました」(経済ジャーナリスト)
同社株を買い占めた仕手筋集団「光進」の小谷光浩氏が89年、経営陣に株の高値買取りを要求。融資名目で約300億円を脅し取った事件だ。91年に小谷氏は恐喝容疑で逮捕され、03年に懲役7年が確定した。
「当時の経営陣5人も株主代表訴訟を提起され、08年に最高裁で約583億円の損害賠償命令が確定しています」(同前)
一時はブランドイメージも悪化したが、昨年、創業100周年を機に社名をジャノメに変更。コロナ禍の巣籠もり需要で家庭用ミシンの販売が急増したこともあり、近年は業績好調だった。
「昨年3月期は過去最高の営業利益率11.2%。今年3月期は前期を下回ったものの、高水準を維持した。次の100年に向けた中期経営計画を開始し、本社の再開発プロジェクトも公表しました」(銀行関係者)
だが、誤算もあった。
「今年は力を入れていたロシア市場がウクライナ侵攻の影響で全て止まってしまい、収益に打撃を与えています」(ジャノメ関係者)
経営環境の変化で切り捨てられていくのが、販売現場のスタッフたちだ。