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あふれる“集大成”感!メガドライブミニ2が体現する究極の「BtoC」

――その“集大成”感はどんなところに感じますか?

 そもそも、メガドライブミニ2の前にメガドライブミニというのが2019年に発売されたんですよ。2016年に発売されたファミコンミニ(ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ)が大ヒットして、そこから「過去の名作ゲームを小型筐体に収録して発売する」というブームが起こったんですね。

 ファミコンミニの後にはスーファミミニ(ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン)、PCエンジン mini、プレステミニ(プレイステーション クラシック)まで発売されたんですけど、それらと比べてもメガドラミニは異常なんです……っていうか、まあ、セガ自体が異常なんですけど(笑)。

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2019年に発売された「メガドライブミニ」(SEGA公式HPより)

 というのも、収録されたゲームの本数もムチャクチャ多いし、なんなら発売されなかったゲーム(『テトリス』『ダライアス』)まで収録されてますから。

――企画自体が当時発売されていたゲームの「再収録」だったはずですから、何か変な気がしますね(笑)。

 でも、いわばこの「意味のわからなさ」が、僕の考える「セガのセガたる所以」なんです。「ブームに便乗して過去の遺産で一儲けしようぜ!」感が皆無というか。

 今回のメガドライブミニ2にも全部で60本のゲームが収録されているんですけど、そのうちの10本が完全新作と言って差し支えないものなんですよ。

収録作品は全60タイトル。単純に並べてみても圧巻のボリューム(SEGA公式HPより)

 公式サイトにも載っていますが「1984年のアーケードゲームを、初めて移植しました」(『三輪サンちゃん』)、「1992年に開発されながら、日の目を見なかった、幻のアクションです」(『でびとぴー』)、『パーティークイズMEGA Q 2022』に至っては「すべての問題を一新し、2022年版の最新クイズでプレイできます」ですからね。

 一番すごいのはスピオンオフで収録されている『パーティークイズSEGA Q』。『パーティークイズMEGA Q』の質問が全部セガ関連になっている、という(笑)。

復刻なのになぜか最新クイズで作成された『パーティークイズMEGA Q 2022』と、質問が全部セガ関連になっている『パーティークイズSEGA Q』(SEGA公式HPより)

――徹頭徹尾、セガファンのためのバージョンアップですね(笑)。

 これぞ究極の「BtoC」ですよ(笑)。だって「セガサターンのCMに出演していた2匹のチンパンジーの名前は?」とか聞かれても、普通の人にわかるわけがない。でも、メガドライブミニ2を買うようなセガファンであれば、これを楽しめるんですよね。

 セガとファンの間の信頼関係があって初めて、これが商品として成立する。司会もセガの社員さん(光吉猛修さん)ですし、もう「これぞセガ!」って感じですね(笑)。

CONTINUE Vol.79

メガドライブミニ2 ,ウマ娘 プリティダービー

太田出版

2022年9月27日 発売