10月27日に発売になった「メガドライブミニ2」。1980年代から1990年代にかけてセガが開発した伝説の家庭用ゲーム機「メガドライブ」の復刻版で、懐かしい名作60タイトルが収録されている。
なぜ「メガドライブ」は30年以上たった現在でも多くのファンをひきつけるのか。その人気の秘密について、収録全タイトルの完全レビューを行った専門誌『CONTINUE』の林和弘編集長に聞いた。
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「セガの集大成」としてのメガドライブミニ2
――林さんが編集長を務める『CONTINUE』Vol.79でも大特集されるなど、メガドライブミニ2はゲームファンから大きな注目を集めています。そもそもメガドライブは、どんなゲーム機だったんでしょうか?
林和弘(以下、林) メガドライブ、通称「メガドラ」が発売されたのは1988年10月29日。この当時は、1983年に発売された任天堂のファミリーコンピュータが空前の大ヒットを記録しており、1987年にはNECからPCエンジンも発売されていた時代です。
ただ、これら当時のメインストリームは「8ビットのマシン」で、簡単に言えばゲーム機本体のCPU性能がそれほど高くなく、設計上たくさんの情報量を処理しないといけないようなゲームを作るのが難しかった。
それに対してメガドラは16ビットの家庭用ゲーム機としてデビューしています。カートリッジ(カセット)を差し込んで遊ぶ設計ですが、後年になってCD-ROMも読み込める拡張アイテムが登場するなど、当時としては非常に高性能なゲームハードなんです。
――素人的に考えても、数字が単純に2倍ですから、それまでよりも一気に出来ることが広がりそうですね。
林 当時のCMでも、いとうせいこうさんが「最近のゲームがつまらないのは、ハードに限界があったからだ」って主張して商品の高性能ぶりを訴えていたように、実際メガドラの設計思想は当時の家庭用ゲームの平均値をはるかに凌駕していました。