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「そんな情報が入ったら、僕はしつけ、指導をしますから」
肝心の野球選手としても、ドラフト1位での入団から5年目のシーズンを終えても、一軍に定着できない日々が続いている。昨年からキャッチャーだけでなく三塁や外野の守備にも取り組んで徐々に出場機会は増えていたが、期待されたホームランは2本のみだ。
その一方で、今回のスキャンダルの前から派手な交友関係は噂になっていた。筆者にさえ届いていたのだから、中井監督の耳にも当然入っていたのではないだろうか。
「入っていないです。僕には入らない。もしそんな情報が入ったら、僕はしつけ、指導をしますから」
“堕胎強制報道”のあとも、中村から中井監督に連絡はない。そして、中井監督から連絡をするつもりもない。
「(中村が)一番連絡しづらい相手が自分でしょうね。ちょっと前までは連絡を取り合っていました。プロ入りから5年間ずっと『プロは甘くないぞ』と伝え、『頑張れよ』と言い続けて来た。問題が起これば親が怒らないといけないし、僕は父親のつもりでしつけをしてきました。ただ高校を卒業してもう5年が経っているし、本当の親はお母さんですから……。人間ですからね、誰でも失敗はするんです。大事なのは、今後、彼の姿勢がどう変わるか、ではないでしょうか」
放出候補入りの可能性も…
ドラフト1位で入団した中村といえども、5年が経過し、一軍に居場所を見つけられていないだけでなく、スキャンダルが報じられたとなれば、今オフに初めて実施される現役ドラフトに向け、広島が放出リストに「中村奨成」の名を記すことも十分に現実的だ。
再起を図らなければならない今こそ、思い返さなければならないのは中井監督の教えではないか。