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≪進んだ道を正解にしていくのが人生≫長崎でプロ野球選手を目指していた少年・水上恒司が『中学聖日記』で輝きを放つまで

水上恒司特別インタビュー#3

2022/11/05

 小学校2年生の頃から野球を始め、プロ野球選手を目指していた日々から芸能界へ。11年間取り組み続けた野球には困難を乗り越える基盤があるという。(全3回のうち3回目/#1#2を読む)

 

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一生懸命やると無駄なことは何一つない

――子どもの頃はどんな子どもでしたか?

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水上:やんちゃでしたね。やんちゃと言っても、単車でブイブイいわせるとか、喧嘩する感じじゃなくて。自分で、これ、ちょっと気になるなってことがあったらすぐやってみて。でも「何やってるの!」って、すぐ親に注意されちゃうんですよね。「俺、何も悪くないし」って言いながら、親を見上げるような、そんな子どもでした。なんだか、今と大して変わらないですね。学校では応援団長や生徒会を任されるようなリーダータイプの子供だったと思います。

――11年間プロ野球選手を目指すほど野球に取り組み、強豪校に特待生として入学された日々はいかがでしたか?

水上:小学校2年生から11年間の野球人生を振り返って思うのは、「努力は、必ずしも実らない」、ということですね。たとえば、何か目標を一つ設定するとします。甲子園に行くとか、全国大会に行く、プロ野球選手になるとか。でも、自分が設定した夢や目標は努力をすれば、必ず実るとは限らないと、感じましたね。

 たしかに今の僕は「プロ野球選手になりたい」と思った小学校2年生のときの目標には全く近づけていない。でも人として生きていく上で、大事なことは野球を通して学ばせて頂いたなと思います。今思うと一生懸命やれば無駄なことって無いのかなと感じますね。

 

――高校野球引退後、演劇部の舞台にスカウトされたことが芸能界に進むきっかけにもなったと伺いました。

水上:演劇部の顧問の先生が演劇コンクールに出場する生徒を探しているときに、校長先生に「誰かいい生徒はいませんか」と話を持ち掛けて。「水上はどうか?」と校長先生が言ってくれたみたいなんです。

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