今年1月、テレビドラマに登場して以降、メディアの前で姿を見かけることはほぼ無くなっていた――。空白の9カ月間、どこで誰と過ごし、何を考えていたのか。今まで語られることが無かった日々に迫る。(全3回のうち2回目/#1、#3を読む)
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「僕はこれが普通だとは思いたくない」そう思った日々
――今年9月まで、どのように過ごされていましたか?
水上:ずーっと怠惰な生活をしていましたよ(笑)。いわゆるニートですよね。この前、撮影現場の休憩時間中、大先輩の俳優さんと同世代の若い仲間たちで話をしていて。「やっぱり無駄なことをやるのが一番いいよ、いっぱい考えるし、自分とも向き合うし」という話になって。「わかるわーっ」って思いましたね。この9カ月間は仕事に直接結びつかないことをたくさんして楽しんだ時間でした。
――一見無駄に見える時間も大切だと。
水上:もちろん、仕事をしている瞬間は大切にしていますし、オファーを頂けることはとてもありがたいです。仕事がないとご飯食べていけないですし。
でも、まだ僕は短いキャリアですけれど、俳優って単純作業の職業ではないと思うんです。やっぱり“演じる”というお仕事を続けていると、自分の中で何かが枯渇していく瞬間が多々あると感じていて。
枯渇しつつも、周囲からは次から次へと求められる。そうすると「それでいいんだよ、大丈夫だよ」って、愛無き言葉を投げかけられて。そういう環境が一時続いて、僕はこれが普通だとは思いたくない、と思うようになりました。
じゃあどうするか? 今年の9月から新しくスタートを切って、忙しくさせて頂く日々もくるかもしれない。そのとき枯渇しないように、今しか得られないものはなんだろうと。この免許が取れるな。あの人に会いに行けるな。こういうことができるな。今まで読めなかった本をたくさん読める。絵を描くことも好きなので、たくさん絵も描きたい。そして何よりぐうたらできるな、と(笑)。
だから、何をしていたかって一言で言い表せないけれど、いろんなことをやってました。