文春オンライン

2022/11/05

9カ月間、一番印象的なことは……

――家にいらっしゃることが多かったのですか?

水上:ほとんどそうですね。本を読んでいることも多かったですし、家にいて自分を見つめるというか座禅のような感覚ですね。意識が他者とか、外に向かないんです。矢印が全部自分に向かう感覚が面白かったですね。

 

 読書もしていましたよ。今も印象に残るのは「家畜の進化」に関する本や「天皇制の歴史」です。いろんな本を読んでいました。役のためとかじゃないですよ。そんなつまらないことはしたくなくて。直接仕事に結びつかないある意味、“無駄”なことをいっぱいしていました。

 料理も好きなので自分で作ることが多くて、今の季節は“鍋”ですね。寒くなってきたので、外から戻るとすぐに火をつけて。身体を温めてくれる鍋がおいしいですね。

――高校は、強豪校と言われる野球部に入り、卒業してデビューすると、たちまち『中学聖日記』で注目されて活躍が続きました。忙しくされていた日々の反動だったのでしょうか?

水上:反動というか、こうなりたくないと思いました。毎日忙しくて、現場に来て「おはようございま~す」とか、ユル~く挨拶しながら入ってきて、メイクをして頂いて、ちょっと気だるそうに、ふんぞり返って椅子に座るような俳優。それで撮影になると、カメラの前でひたすらポージングをキメて、カッコよくて俗っぽい写真を撮られて。撮影が終わるとテンプレートのように「お仕事頂けて嬉しいです! 役作りはこうしました!」みたいな、虚ろな感じにはなりたくないと思っていました。