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「和田さんが死んじゃったから、今はどん底です」平野レミが未亡人になって気づいた「料理の力」

「日本一チャーミングな料理愛好家」の肖像 #3

2022/11/06
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未亡人になって、改めて考えた「料理をする意味」

――近いうちにやってみたいことは、ありますか。

レミ 和田さんが一度も大きな病気をしなかったのは、私の料理のおかげだと思ってるんですけど、未亡人になってしまったので、今度は“味望人”レシピにも挑戦したいなと。今一人暮らしの高齢者も多いから、そういう人でも簡単にできて美味しい「味望人レシピ」を考えたらって、息子(次男の和田率さん)が言うんです。

――今、一人暮らしだと料理を作る気がせず、惣菜を買う人も多いといいます。

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レミ スーパーでも、惣菜コーナーの広さがどんどん大きくなっていっていますね。確かに便利だと思います。食材が無駄になることもないし。

 でもやっぱり私は、料理は人間しかできないことで、いちばん人間らしいことだと思っています。口からだけじゃなくて、鼻や目、そして耳や手からも、人間の五官すべてで幸せを感じられるのは、料理しかない。その人間らしさがなくなってしまったら、食事がただの餌になってしまう。人間として生まれたからには、少しでも料理をやらないともったいないと思います。

 和田さんに料理を食べてもらうことはなくなったけど、美味しいお茶を毎日いれて、乾杯をしています。どうしても私が難しい時は息子たちにやってもらっていて、今のところ一度も欠かしていません。料理とは……愛ですね。それが自分のためでも、お茶を一杯入れるだけでも。

写真=山元茂樹/文藝春秋

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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