「賛否両論あったとしても、私は私なりにやって構わないんじゃないかなと思って、やっているんです」
ブロッコリーを直立させたり、揚げ物をハンガーに吊るしたり……2回目のインタビューでは、「既成概念にとらわれない料理」について平野レミさんに直撃。“放送事故スレスレ”と思われかねない独自の料理、調理スタイルはいかにして生まれたのだろうか?(全3回の2回目/#1、#3を読む)
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「たまには魚を立たせてあげてもいいかなあ」
――レミさんの料理はSNSで「大胆」「豪快」などといわれ、大人気です。
レミ 魚って、いつもお皿の上に寝かされてるでしょう? だから、たまには立たせてあげてもいいかなあって思うんです。泳いでいるように横に立ててもいいけど、上を向かせて、縦に立ててもいい。
ブロッコリーだって、バラバラの小房で寝転がされがちだけど、そのままの姿でどんって立ってもらって、上からトロトロ~ってソースをかけてあげたら、気持ちいいんじゃないかなと思って。そうやって、テーブルの景色にメリハリができたら、ちょっと楽しいじゃない?
――立たせる、ぶっ刺す、吊るすなど、既成概念を覆すレシピの背景には、そういう意図があったんですね。
レミ 真面目な料理は他の人がやってるから、別に私がやる必要はないしね。賛否両論あったとしても、私は私なりにやって構わないんじゃないかなと思って、やっているんです。
――ちなみに、誰かのレシピを見て料理を作ることはあるんですか?
レミ 見ない、見ない。私は料理学校に行ったわけでもないし、レシピをちゃんと見たこともなくて、本当に自己流なんです。とにかく自由で楽しく美味しくできればいい。もちろん本を作る時は、誰でもできるようにちゃんと調味料も量ります。いつもはいい加減だけど(笑)。
――新刊のレシピ本では、何も「立った」ものがないなと思って、探してしまいました。あれはテレビだからこその演出という側面も?
レミ そうね、「テレビではより面白く」というのは考えますね。
マネージャー でも、今はネットの時代だから話題にされるだけで、豪快なのは昔から変わっていないんです。過去のレシピ本でも、ロールキャベツのようなものをいっぱい重ねて一つの大きなドームを作っていたり……。
――もしかするとレミさん、元祖「映え」だったのかもしれませんね。
マネージャー そうですね(笑)。ネットがない頃から、相当、映えてました。