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安倍元総理は「愛子天皇」を認めていた

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 これまで「女性宮家を認めることは皇位継承の伝統を根底から覆しかねない。女系天皇に反対」と公言し、「男系男子」の皇位継承に強いこだわりを見せていた安倍晋三元首相。だが、政治外交ジャーナリストの岩田明子氏は、月刊「文藝春秋」の連載「安倍晋三秘録」で安倍氏が熟慮の末に抱いた皇室観を明らかにした。

岩田明子氏

 ここ数年、安倍氏は岩田氏に「将来、愛子天皇誕生への道筋に向けても責任ある議論を進めなければならない」と語っていた。従来のイメージを覆すような、解釈の難しい発言ではあるが、安倍氏は、皇統を存続させることが何よりも重要であるとの現実的な立場だった。

ご成年にあたり記者会見をされる愛子さま ©時事通信社

 安倍氏の皇室観が如実に表れたのは、2005年の小泉政権下で進められた「皇室典範に関する有識者会議」の頃だった。この会議は「女性天皇、女系天皇を認める」「皇位継承は男女を問わず、第一子を優先する」との報告書を政府に提出している。つまり当時わずか3歳の愛子さまが天皇になることを前提とした内容だった。

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 その直前の11月7日の夜、安倍氏は岩田氏に胸中を吐露している。