沖縄の基地移設反対活動に対するツイートで炎上したひろゆき氏。ネット第1世代の筆者にとって彼は“トリックスター”の一種であり、「面白い瞬間があったとしても、基本的には発言を真に受けても仕方ない人」というのが本音だが、若者からの認知・支持は絶大なものがある。
そこで今回、現役大学生へのアンケート調査(新潟・東京の私大学生計143名)を行い、ひろゆき氏の「何が」「どういう形で」支持されているかを調査した。
「とても信頼している」は1.5%
まず驚かされたのが、ひろゆき氏の認知度の高さである。認知度調査で9割超えというのは圧倒的な数字だ。
ひろゆき氏はTwitter218万人、YouTubeチャンネル160万人のフォロワーを抱えているが、認知度に対してフォロワーは彼を知っている大学生のうち、15人に1人程度である。
ひろゆき氏を知るきっかけになったメディアとしてはYouTubeがトップ、次いでTwitter、AbemaTVが多かった。自由記入コメントでは「人気YouTuber番組の人狼ゲームを遊ぶ回に出演しているのを見て、その軽妙なコメントが面白かった」という回答もあった。ひろゆき氏自身のチャンネルに限らず、他のYouTuberとのコラボ動画や、切り抜きで見たという答えも多かった。
そしてひろゆき氏の信頼度についての質問では、「とても信頼している(5)」「かなり信頼している(4)」「どちらとも言えない(3)」「かなり信頼していない(2)」「まったく信頼していない(1)」の5段階で回答してもらった。
「とても信頼している」(1.5%)と「信頼している」(14.8%)を合わせて大学生の16.3%がひろゆき氏に対して信頼を寄せているという結果となった。
TVCMなど広告の世界では、それほどクオリティの高い商品・広告ではなくても、予算をかけて人々の目に触れる機会を増やせば、認知度にひきずられる形で好感度も上がっていくことが知られている。しかしひろゆき氏は、メディアなどでの露出の多さほどには信頼を獲得できていないといえる。
一方で、46.7%が「どちらとも言えない」と回答し、37.0%はひろゆき氏のことを信頼していない。抜群の認知度ほどには、発言を鵜呑みにしたり“信者”的に彼の発言を信頼している人はそれほど多くないといえるだろう。それはSNSアカウントのフォロー状況にも現れている。
さらに興味深いのは、「その人を好きだと友人に言えますか」という項目への回答だ。
「とても好き・好き」と答えた人の中での数字となるが7割が「ひろゆき氏のことを好きだと友人に言える」と回答している。信頼度については態度を保留していても、他人に開示できる高い好感度を得ているという点も興味深い。
SNSアカウントのフォロー率6%という数字、そして友人に対して「ひろゆき氏が好き」と言えない人が3割近くいることの意味を理解するためにも、他のインフルエンサーとの比較をしてみよう。