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「面白い事を言ってくれる」が「正確な情報」よりずっと重要

 アンケートの「彼らに求めること」という設問への回答は、衝撃的だ。「わかりやすく解説してくれる」「面白い事を言ってくれる」が5割を超えた。

 一方で、「正確な情報を提供してくれる」「公正・中立な視点を提供してくれる」は3割~2割程度に留まった。

 若者がネットインフルエンサーに求めていることは、一般メディアが情報発信する際に重視しているポイントと大きくずれていることがわかる。

 テレビや新聞、あるいはリベラル系のインフルエンサーがどれほど「事実」として正しい情報を発信しても、わかりやすい/面白いインフルエンサーの発する言葉よりも人々に届かない理由が数字にハッキリと現れている。

「ひろゆき氏をいつ知ったか」という設問からは、現役の大学生にとってひろゆき氏の存在感が大きくなったのが筆者の想像以上に最近であることも判明した。

 

 ひろゆき氏が「2ちゃんねる」を開設したのが1999年、山本一郎氏が起こした名誉毀損裁判で敗訴したのが2008年、アメリカの匿名掲示板「4chan」を買収して管理人になったのが2015年だ。

 しかし大学生の約8割はひろゆき氏を知ったのが3年以内と回答しており、これらの事実を知らない可能性が高い。自由回答でも「裁判を起こされたが賠償金を払わずにいること」への言及はほとんどなく、「ネット上で歯切れがよく、面白い人」という認識のようだ。

ひろゆき氏(左) 本人Twitterより

 現在のネット言論界は「目立ったもの勝ち」が加速しており、既存のマスメディアでさえ、ネットで注目されている人や物を取り上げることで視聴率や販売部数を稼ぐことが常態化している。近年は金融庁など公の行政機関でさえ、広報のためにインフルエンサーの存在感に頼ることも増えてきている状況だ。

 そういったアテンションエコノミーのもたらす結果を考えると望ましいこととは言えないと筆者は考えているが、その仕組みを熟知したインフルエンサーたちにとっては、悪評さえもメリットに変えることができる。その筆頭がひろゆき氏なのだ。

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