文春オンライン

2022/11/12

genre : ニュース, 社会

 2017年4月、任侠団体山口組が結成時に異例の記者会見を開き、神戸山口組では6代目山口組以上に様々な名目で異常な金銭の徴収が行われていたと暴露して井上を批判した。さらに8月の2度目の会見では、「山口組史上例を見ない『大型分裂詐欺』であったということです」と発言。「上に立ってはならない人物が、上に立ってしまったことにより、多数の者が命を落とし、取り返しのつかない悲劇が日本中で起きてしまった」と厳しい非難を続けた。これに対し神戸山口組は織田にヒットマンを差し向けている。2017年9月、神戸市内を車列で移動中の織田らが襲われ、ボディーガードが射殺される事態となったのだ。

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 入江の3者連合構想は、こうした恩讐を超えて実現しようとしたものだった。実際に、2022年9月には、池田組と神戸山口組幹部らが、絆會とともに織田のボディーガードの命日に供養に訪れている。しかし、これがきっかけとなり同月に入江も神戸山口組から離脱することになる。捜査幹部が解説する。

「幹部らの墓参に井上が激怒した。取りなそうとする入江にも厳しい口調で難詰したようだ。入江としては、6代目側への対抗のために構想を練ってきたところで連合がご破算となることとなり、離脱を決意したとみられる。入江は2022年9月に脱退を表明すると、その後、除籍となった」

絶縁と除籍、処分に差があるのはなぜか

 前出の指定暴力団幹部はこの離脱劇についてこう感想を述べた。

「寺岡にしても入江にしても、6代目側への対策を考えて井上に提案をしてきた。双方とも分裂以降、7年にわたって井上に付き従ってきた。ただ、寺岡は絶縁、入江は除籍。処分に差がある。これは入江には未練があるということなのだろう。

 かつても同様のことがあった。任侠(団体山口組)を結成し井上を批判した織田は絶縁で、その上、ヒットマンを差し向けた。織田を許せないのだろう。だが、山健組を井上から継いで脱退した中田は軽い除籍処分だった。織田以上の裏切り行為とみられるが、中田には未練があるのか、『帰ってきてほしい』というメッセージとも受け取れた。いずれにしても組織としてはいかがなものか」

 宅見組の脱退で神戸山口組内では結成時の中核5組織すべてが去った。侠友会や宅見組などはそれぞれ独立した組織として歩みを始めている。だが、警察当局はこうした動きを認めることはなく、「暴力団対策法の規制が適用される」としており、さらなる動向を注視する姿勢を示している。(文中敬称略。一部の肩書は同時)

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