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「毎日楽しく生きているのに『障害があって可哀想』と…」16歳で両足切断したモデル・葦原海(25)が“周囲の視線”に思うこと

葦原海さんインタビュー #2

2022/12/17
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 モデル・インフルエンサーの葦原海(あしはら みゅう)さん(25)は、16歳のときに事故で両足を失う壮絶な経験をする。しかし、車椅子ユーザーとなっても常に前向きだった彼女は、モデル活動やSNSでの発信を通して注目を集めるように。現在はSNS総フォロワー数66万人(2022年12月時点)を誇る。

 2022年9月にはミラノコレクションにモデルとして参加するなど、世界的に活躍する葦原海さんに、活動の信念やSNSに寄せられる反応への思い、ミラノコレクション挑戦のきっかけ、今後の抱負などを聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)

モデル・葦原海さん ©三宅史郎/文藝春秋

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“車椅子モデル”を名乗らない理由

――現在はテレビ番組や女性ファッション誌などさまざまなシーンで活躍されています。

葦原海さん(以下、海) しばらくはパラリンピック関連のお仕事など、「車椅子ユーザーのひとり」として呼んでいただく機会が多かったです。でもそれから数年間、とにかく私の思いをいろんな方に伝え続けた結果、今ではインフルエンサーのひとりとして、活動の場がどんどん広がっています。

――障害を抱える当事者の方やそのご家族、関係者の先にいる人たちとつながりたいという思いが、実を結んでいる様子が伝わってきます。

 ただ、私がモデル活動をしているときは、あえて自分から“車椅子モデル”とは名乗らないようにしています。

――それはなぜでしょうか。

 “車椅子モデル”という肩書きがあるだけで、障害を“特別視”していることになると思うから。それに健常者の方がモデルをしているとき、わざわざ“健常者モデル”って言いませんよね。それと同じだと思っています。

 私は「車椅子ユーザー」としてではなく、あくまで「葦原海」として見てもらいたいんです。

――そうした思いが、TikTokやYouTubeでの発信にもつながっているんですね。

 TikTokやYouTubeには、ランダムでおすすめの動画が表示される機能がありますよね。その機能があれば、これまで興味関心がなかった層にも私の活動や車椅子ユーザーの存在を認知してもらえると思ったんです。それで、2020年にTikTokやYouTubeのアカウントを作りました。

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