Twitterで知って驚いた「欠損フェチ」というジャンル
――今TikTokはフォロワー数35万人を超える人気アカウントです。
海 今は健常者のファンの方が増えたなと感じています。身体的な障害じゃなくても、うつ病など精神的に落ち込んでいた方から「励まされた」とコメントをいただくこともあります。興味関心がなくても、「TikTokの動画でおすすめに出てきて知りました」と言ってもらえるのも嬉しいです。
SNSが発達したおかげで、それまで知らなかった世界にも簡単にアクセスできるようになりましたよね。それまでは皆さんにとって、私たちのような車椅子ユーザーや障害を持つ方たちは遠く離れた存在だったかもしれないけれど、今はもっと多くの人に届くようになったので、チャンスだと思っています。
ただ一方で、SNSを通して驚いたこともあって……。Twitterを始めて知ったのですが、「欠損フェチ」ってジャンルがあることにすごくびっくりしました。
――「欠損フェチ」ですか?
海 私のように足を切断しているとか、身体の一部が欠損している女性に萌える人がいるみたいです。アイコンもそういう女性にしていたりして……。特殊な世界があるんやな、と……。
第三者から「可哀想」と決めつけられるのだけは嫌
――知りませんでした。SNSで心無いコメントや意見を目にすることはあるのでしょうか。
海 私が一番傷つくのは、「障害があって可哀想」と決めつけるようなコメントです。例えば私がいつも通り明るく配信をしていても、「無理に笑顔を作っていて可哀想」「実際はたくさん泣いてそう」とか言われることもあるんですよ。毎日楽しく生きているのに、第三者から「可哀想」と決めつけられるのだけは嫌かな。
ただ、SNSでの心無いコメントはそれくらい。始めた当初は、身体的特徴を揶揄されるかも、と身構えていたんです。でも思っていた以上に「車椅子とか関係なく可愛い」「着物が似合っていて素敵」と私自身を褒めてくださるコメントが多かったのには驚きました。案外みんなフラットな考えを持っているのかもしれないなって。
――想像以上に好意的なコメントが多かったんですね。
海 一度ある動画がバズったときに、「なんでこの人両足ないの?」「トイレはどうしてるの?」といったコメントがたくさん来たことがあります。でもそうやって興味を持って聞いてくれるのは、とても大切なことだと思っていて。だから質問自体に傷つくことはあまりないですね。