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「毎日楽しく生きているのに『障害があって可哀想』と…」16歳で両足切断したモデル・葦原海(25)が“周囲の視線”に思うこと

葦原海さんインタビュー #2

2022/12/17
note

――動画内では、かなりストレートな質問にも赤裸々に答えている印象です。

 みんなが気になるであろう両足切断の経緯や日常生活の様子、そのほかにも視聴者の方から寄せられる質問や疑問にはなるべく答えるようにしています。

 障害者への偏見とか差別は、ほとんどが「知らない」ことから生まれている。私自身も、自分が車椅子ユーザーになって初めて知ったことがたくさんあります。「わからない」と興味関心を持って質問を投げかけてくれることは、障害者と健常者の壁を壊す一歩だと思っているので、とてもありがたいですね。

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日本人初の快挙、ミラノファッションウィークに出演

――海さんは今年9月、世界4大ファッションコレクションであるミラノファッションウィークに出演されました。車椅子ユーザーとしては日本人初の快挙だったそうですが、どのようなきっかけで出演が決まったのでしょうか。

 もともと、2021年に開催されたミラノコレクションのオープニングムービー出演のオーディションに参加していたんです。そのとき、オーディションの過程で配信していたTikTokライブを偶然見てくださったデザイナーのエージェントの方が、「すごく明るい子だ」と好感を持ってくださって。海外で活躍するデザイナーに私を推薦してくれたみたいなんです。

 そのデザイナーの方と2021年の終わりに初めてお会いして、「ミラノファッションウィークへの出展が決まったから出演してほしい」と言っていただけたので、挑戦することに。

――ランウェイを歩いてみて、いかがでしたか。

 日本のファッションショーと違って、あくまでファッションが主役なので、モデルさんも自分より服を魅せようとしているなと感じました。観客の方も、比較的クールに観ている感じでしたね。

 ただ、ランウェイを歩くモデルの中で車椅子に乗っているのは私だけだったので、私が歩くときは少し拍手が起こりました。

2022年9月にはミラノファッションウィークに出演(葦原海さんのInstagramより)

イタリアで感じたバリアフリーの文化の違い

――イタリアは楽しめましたか?

 実は私、海外に行くのが初めてで。英語も話せない状態だったので、すごく不安でした。でも、いつか海外に行かないと、とは思っていたんです。

――それはなぜでしょうか。

 メディアやイベントなどで講演する機会が増える中で、日本と海外のバリアフリーの差を聞かれることも多くて。きちんと自分の言葉で話せるように、私自身の目で見て、体験してみたいと以前から思っていました。