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“タッキー派”と“反タッキー派”の明暗

「例えばSnow Manは舞台『滝沢歌舞伎』をずっと支えてきたことで、滝沢くんからの信頼が厚く、繋がりも強くなっていきました。その結果、滝沢くんがジャニーズ事務所の副社長として権限を持った途端に6人から9人に増員し、デビューが叶いました。SixTONES、Travis JapanもSnow Manほどではありませんが、長年の滝沢くんとの付き合いがデビューとして実った。

 一方で、滝沢くんとうまくいっていなかったのがLove-tuneです。Jr.時代、滝沢くんとそりが合わないメンバーがいて、グループメンバーの入れ替えを提案されたこともあります。結局、2018年に契約書締結を巡って事務所側とトラブルになり、グループ全員で退所することになってしまいました」(同前)

2019年8月16日、渋谷区にある稽古場から出てくる「SixTONES」森本慎太郎、ジェシー、「Snow Man」渡辺翔太、目黒蓮(左から)。渡辺はGIUCCIのキャップを被っている ©文藝春秋

 前出のジャニーズ事務所関係者も「誰が後ろ盾かが重要」とこう明かす。

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「平野や岸、神宮寺は海外進出をしたかったわけですが、そもそもジャニーズタレントのような美少年系は、海外での受けはさほどよくない。日本独自の“ガラパゴスアイドル”の代表みたいなものですから。事務所としても国内向けに売っていくのが理に適っています。

 ただ、ジャニーさん時代は海外進出したい子たちの後押しもしていたんです。例えば赤西仁(38)はKAT-TUN脱退後、まだジャニーズに在籍していた2010年11月に全米ツアー『Yellow Gold Tour 3010』で成功を収めている」

ジャニー氏がJr.たちに見せた“世界”の魅力

 ジャニー氏は“世界”を見せるためにジャニーズJr.を連れ出すこともあったという。

ドラマでロケ撮影をしていた平野 ©文藝春秋 撮影/松澤和也

「2019年8月には美 少年をロサンゼルス公演へ連れていってもいます。キンプリたちも雑誌『Myojo』2017年5月号の撮影をハワイで行っていますし、同年には元Love-tuneのメンバー・森田美勇人くん(27)もロサンゼルスにダンス留学をさせるなど、希望する子たちが挑戦できるルートがあった。

 しかし現在指揮を執るジュリーさんに海外志向はほとんどない。彼女は国内レコード会社やテレビ各局との交渉に強いので、国内市場に目が向くのは当然といえば当然。ただ、もう少しバックアップする姿勢をみせるだけでも、King & Princeの行く末が変わったんじゃないかとは思いますね」(同前)

 ジャニー氏とメリー氏という屋台骨を失った後、滝沢秀明氏が退所し、レジェンドグループの解散、脱退も続いている。ジャニーズ事務所はいま、大きな構造変換を迫られているのだ。