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ダフ屋行為で得たお金で演劇鑑賞。その数「年に500本」

弁護人「ダフ屋行為で得たお金の使い道は?」

被告人「演劇鑑賞です」

弁護人「どれ位の頻度で鑑賞してたんですか?」

被告人「1日に1~2本で、年に500本程です」

弁護人「どんなのを観てたんですか?」

被告人「様々ですが、中小劇団です。下北沢とかでやってるような」

弁護人「年数としては?」

被告人「本格的には15年位です」

 宝塚などの演劇のチケットを転売して得たお金で演劇鑑賞ですよ。しかも、年間500本って! 映画を年間500本見る人はいても、演劇となるとなかなかいないんじゃないですかね。時間的にも金額的にもそう簡単には出来ませんよね。小劇団に最も詳しいダフ屋ですよ。

ダフ屋業で稼いだお金で劇場で年間500本も演劇を見ていたという被告人。しかも…… ©iStock.com

「打ち上げにも行くんですか。どんな話をするんですか?」「自分で言うのもなんですが…」

弁護人「それだけ足を運ぶと、劇団の人と話すこともあるんじゃないですか?」

被告人「はい」

弁護人「打ち上げに行ったりもするんじゃないですか?」

被告人「はい。誘われれば」

弁護人「どんな話をするんですか?」

被告人「自分で言うのもなんですが、ご意見番的な」

 演劇をよく見てるだけじゃなく、役者に意見してたんですね。小劇団界隈では権威ある有名人だったかも知れません。まさか裏では演劇のチケットを転売して稼いでる人物とは誰も思ってなかったでしょうけど。

「ダフ屋はやめます!」「家宅捜索で自宅からチケット7枚が見つかったそうですけど…」

弁護人「そうなると招待券を貰ったりは?」

被告人「はい」

弁護人「それを売ったりするんですか?」

被告人「いやいや」

弁護人「それは売らない、と」

 商業演劇は飯の種、小劇団は趣味と被告人の中ではハッキリと区別していたようです。

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弁護人「観劇は続けるんですか?」

被告人「はい」

弁護人「仕事はどうするんですか?」

被告人「定職に就くかアルバイトを探します」

弁護人「長年ダフ屋やって来て、簡単にやめられます?」

被告人「気持ちを切り替えて、やめます!」

弁護人「家宅捜索で自宅からチケット7枚が見つかったそうですけど、どうしましたか?」

被告人「破って捨てました」

 売れ残ったチケットを破り捨てるように過去の自分とは訣別すると決意してるようです。今後はダフ屋を辞め、演劇鑑賞を続けるために真っ当な仕事に就くと約束して質問終了です。