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国葬が開かれた日本武道館に“あの日”の国技館…令和の今「消えた犯罪」の“ヤバい裁判”

武道館から“消えた犯罪”#1

2022/12/31

genre : ニュース, 社会

 今年9月27日に安倍晋三元総理の国葬が日本武道館で行われました。日本武道館って様々なイベントが行われている建物ですが、名前通りの武道の催し物はあまりやってないイメージですよね(調べてみると週に一度のペースで行われているようですが)。

 個人的にも29年前に筋肉少女帯のライブを見に行ったのが初めての武道館で、一度だけテレビ番組のイベントでステージに立ったことはありますが、それ以外は全てライブを見るために訪れた場所です。武道よりもコンサートやライブ会場という認識の人も多いでしょう。

国葬も開かれた日本武道館 ©iStock.com

 あとは、道すがらにチケットを売買するダフ屋が何人も立っている場所というイメージの人もいるかも知れませんね。今はルールも厳しくなってダフ屋はほとんど見なくなりましたし、ダフ屋の裁判も東京地裁では年に1つあるかどうか。もう平成で途切れた犯罪なのかも知れません。

 今回は、そんなまだダフ屋が活躍していた頃の裁判傍聴記です。

11年前のあの頃、とあるチケットが注目を集めた

 2011年6月24日に東京地裁で行われた裁判。

罪名 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反

被告人 無職の男性(44)

 起訴されたのは、2011年5月16日12時27分に被告人が東京・両国国技館前の歩道上で大相撲技量審査場所9日目の入場券を男性(70)に3000円で販売したという内容です。

 11年も経つと忘れてる人も多いでしょうけど、大相撲は八百長問題というスキャンダルで注目されていて、それを受けて2011年3月の本場所を取り止め。そして、五月場所を大相撲技量審査場所という名前にして入場無料で開催すると決定したんです。

 入場券の申し込みは殺到して、すぐに予定枚数に到達。当日券も1000枚ほど用意してたんですが、連日すぐになくなっていたというのが当時の状況です。大相撲がタダで観戦出来るとなれば興味のない人も見たくなりますからね。

 イメージ的に黒星続きだった相撲協会が、八百長の徹底調査や暴力団の入場禁止などを掲げ、技量審査場所では力士のケータイを持ち込み禁止にするなどのアピールはしていたんです。しかし、ダフ屋の排除までは手が回らなかったようです。