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 たとえば、ホテル業を例にとったとしても、東京オリンピックが期待されていたコロナ禍直前の2019年のころにはすでに、東京や大阪といった大都市のある都道府県のホテルの稼働率は約8割でした。当日にトラブルが起きて対応するために多少部屋を用意すると考えると、「イベントがあるから」で急に観光客が来ても今度はビジネスの客が宿を取れなくなるだけで余裕はありません。まして、郊外ではなく、本当に利用者が使うような街中にあるホテルはすでに一杯で、イメージほどの「伸びしろ」が期待できないんです。

「歩きタバコの罰則は全然かまいません。ただ…」

黒田 そんな大阪でも、タバコの規制に関してはたぶん東京を見習うでしょう。松井一郎市長は喫煙者なので、手心を加えてくれたらええんですけど……(笑)。

 もちろん、喫煙者のマナーは大事やと思うんです。歩きタバコする人がおれへんかといったら、まだおるんですよ。それに対して罰則をきつくするなら、全然かまいません。「煙たい、害がある、臭いがする」と三拍子揃っている以上、分煙をきっちりしてくれたら、我々はそれでいいんです。

 

 でも、それ以上に「タバコを擁護するのは言語道断」という空気感があるというか……。非喫煙者の中には、「マナーを守るんやったら、吸ってもええんちゃうん?」と言う人もいてますけど、タバコ自体が悪やと言う人もおるでしょう。マナー違反をしたら叩かれても仕方ないけど、喫煙所で吸ってるだけでも気に入らんと叩かれるのは、流石にイジメすぎちゃうんかと思います。なんであそこまで勢いがついてしまうんでしょうか。

飯田 コロナで悪者扱いされた飲食店は、規制され放題でした。憲法を守れといつも言っている人たちも、営業の自由は守ろうと言ってくれない。それと同じで、喫煙についても自由権の観点で戦ってくれる人がいるかなと思ったら、なかなかいないですね。

 

「寿司屋のカウンターでメチャメチャ香水臭い人がいたらどうなんですか」

黒田 実際、喫煙は、権利として認められているわけでしょう。国が認めて売ってる商品を買うて嗜好することに対して、規制をかけられるのが元来おかしいんじゃないかといいたいんですよね。「建前」と「実際」がズレてるやないですか。

 じゃあ、寿司屋のカウンターでメチャメチャ香水臭い人と隣り合わせたら、どうなんですか。喫煙に関してマナーが、マナーが、と言うなら、ほかのことにもマナーを言ってくれよと思います。

飯田 ここまで熱心に取り組まないといけないほど、タバコは優先度の高い社会問題なんですか? ということですね。たしかに健康や医療の観点に限っても、健康診断の無料化を進めるとか、もっと何かやった方がいいテーマがあるんじゃないかと思います。