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禁煙した人がついつい聞いてしまう「あの質問」

黒田 禁煙した人から、よく言われません?「タバコ、まだ吸ってるの?」その次に「いま、いくらするん?」。あれ、ごっつ腹立つんですよ。

飯田 必ず言われますね(笑)。

黒田 あんたが止めたのはええわ。ほな、止めた分のタバコ代が貯まったんか言うたら、絶対に貯まってない。競馬やら何やらで使ってますよ(笑)。

 僕も、止めようと思ったときには止めるでしょう。ただ、これだけは誓って言いますけど、止めてない人間を罵倒するような人間にはなりません。

 

飯田 禁煙した人に限って、喫煙者に厳しい傾向はある気がしますね。

黒田 そんな世の中だからなのか、余計に、タバコを吸う人同士のコミュニティが強まっているような気もします。みんなで飯を食べてても、タバコがあかん店やったり、初めて行った店で遠慮があったりすると、「ちょっとタバコ吸ってきます」と外へ出るでしょう。そのとき同席した人が「俺も」と席を立ったら、初対面でも一気に親近感が湧くんですよ。そうすると日ごろは話さないような人とも話すきっかけになるというか。

 よしもとを例に言うと、なんばグランド花月の喫煙所に若手の芸人が行けば、明石家さんまさんや新喜劇の先輩らと一緒にタバコを吸うんです。普段は話をする機会のない雲の上の先輩方と、コミュニケーションが生まれるんです。

 

 芸人以外の仕事でもそうだと思うんです。たとえば5人で食事をして、喫煙者と2人だけで話したいとき、「タバコ吸いに行きませんか?」と自然に誘って、外で“密談”ができる。個別にちゃんと面と向かって会話できるって、どんな職業も大事だと思うんですよ。

 これ結構タバコを吸わない人相手だと難しくて……。いきなり「一緒にトイレ行きません?」だと気持ち悪いですから。

「生産性」を高める“サボり方”

飯田 そうですね、急になんだろうとびっくりしそうです(笑)。

 そういう喫煙所コミュニティはたしかに実感することもあって、明治大学に勤める私も、ただのヒラ教員ですが、前の学長もいまの学長もタバコを吸うので、立場以上には気軽に会話できる関係ですね(笑)。

 ただ、こうした「タバコ休憩」を「サボりだ」と責める声もあります。そういう時間を削って生産性をよりあげようというんです。