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「園児はお金、親もお金」自称“中流以下”の48歳男性が語った「ある保育会社」の不正

『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』 #1

2022/11/21
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 新卒の保育士は純真無垢です。奨学金や就職お祝い金を出して一本釣りする。本部のマネージャーが「3年は働いてね」とプレッシャーをかけるんです。

画像はイメージです ©getty

  奨学金を得ているからといって、別にうちの会社で必ず働かなくたっていいんです。けれど、知識のない保育士には暗黙の了解のようにプレッシャーをかける。親に保証人になってもらっていることが多く、親に迷惑をかけたらいけないと思って我慢して働いているうちに、メンタルを崩したりしていく若手もいるんです。そうなる前に僕も辞めて良かったのだと思うようにしています。

転職で収入減少、毎月10万円の赤字

 転職して収入が下がったことを妻には言えないでいました。日本の転職はまだまだネガティブに見られて、前職より賃金が低くなるでしょう。

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 でも、管理職採用だから上がると見込んでいたので、前の職場時代に妻に内緒で作っていた銀行口座があって、虎の子のへそくりで毎月の赤字を補填していました。それでも足りず、祖母が遺産として残した田舎の一軒家の家賃収入が月4万5000円あるので、それも家計に投入しました。今は実家の近くのマンションに住んでいますが、家は買えません。

 赤字は毎月10万円。これって、一般的な家庭像で夫が大黒柱で妻が扶養の範囲内で働くとちょうどいい、というのと合致しますよね。なんだか、そういう典型的な夫婦のモデルケースになれないって、人生の脱落者という扱いなのかな、って思っちゃうんです。

 夫がサラリーマンで妻が社会保険料を支払わなくていいように月8万円ほどに調整して働く。それが中流家庭なんでしょう。だから、うちは中流以下。でも、そもそも中流って何なのでしょうね。

月1万5000円のお小遣いでやりくり

 僕のお小遣いは、昼飯代も込みで月1万5000円です。基本、弁当です。昼飯を外で食べたとしても500円で収めないと。あとは、おごってもらえるような人と外に出るしかない。もうサバイバルですね。

 モバイルのお財布とか、ICカードで支払うと使いすぎが分からなくなるのでヤバい。現金主義です。仕事の経費は怖いですね。精算するまでお金が戻ってこないのですから。