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高校生の娘から「恥ずかしい」と言われたことも…半額シールの商品ばかり買う「年収120万円シングルマザー(41)」の窮状

『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』 #2

2022/11/21

 毎月の収入は、5万円の養育費と10万円前後の給料……モラハラ夫と別居し、非正規で働く41歳女性の生活とは? 労働問題に詳しいジャーナリストの小林美希氏の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/#1#3を読む)

「少し前まで町工場で6年働いていたのですが、つらい6年でした」。月の収入は10万円前後。非正規で働き続ける41歳女性の生活とは? 画像はイメージです ©getty

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町工場の仕事で月12万円、毎日がつらかった

 少し前まで町工場で6年働いていたのですが、つらい6年でした。

 入社当時小学生の娘と保育園の息子がいて、子どもたちに負担をかけないようにと、午前9時から午後4時まで勤務していました。最低賃金だったので、収入は多くても月11万~12万円でした。

 機械でプラスチック製品を作るのに部品を入れる単純作業。毎日がつらくて、つらくて。自分がまるでロボットになったような、じきにAIにとって代わられるような仕事でした。

 コロナで子どもの小学校が一斉休校になった2020年の3月からしばらくは、シングルマザーの私が子どもを見るしかなかったので、仕事を早退したり欠勤したりして対処しました。

 その時に、休業補償の「小学校休業等対応助成金」が創設されたことを知りました。この時点では、労働者からは申請できず会社が申請する仕組みだったので社長にお願いすると、他の子育て中の社員は実家に子どもを預けるなどして出勤していたので「特別扱いできない」と言って断られてしまいました。何度もお願いすると関係が悪くなって、最終的に辞めざるを得なくなりました。

 縁があって美容系の会社の社長の秘書となり、事務作業や調査業務など、非正規ですが、職を得ることができました。

 家の事情や市民活動を行っていることを理解してくれて、朝9時から午後2時半までの間のパート勤務で良いと言ってくれました。時給は900円になって、やっと最低賃金からは抜け出しました。

 今も子どもが帰宅する頃には家で待っていてあげたいので勤務時間が短く、月収は9万円ほどですが、勤務時間は前より1時間半も短い。ストレスはないし、勉強になるし、自由度が高いので働きやすくて、とても充実しています。

スーパーでは「半額シール」が貼られたものを買う

 モラハラ夫とは数年前から別居中で、離婚届を出していないだけの状態です。養育費をもらっていますが、月5万円程度。私の収入は10万円前後ですから、ずっと無駄な支出はしていません。

 旅行にも行かないし、食事も贅沢はしない。子どもたちは高価なものを食べたいとあまり言わないので助かります。