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教科書代が重くのしかかる

 娘は塾に通わずに公立高校に進学して、部活は入っていないので費用はかからずにいます。けれど、高校も無償化になったはずでも意外とお金がかかります。

 入学した春は制服や体操服で5万円以上、教科書代だけでも1万5000円も用意しなくてはなりませんでした。息子の小学校も給食費が毎月5000〜6000円。教材費も1500円はかかるので、毎月の学費だけでも大きな負担です。

 コロナ禍で母子家庭や住民税非課税世帯には何度も特別給付金が出ましたが、離婚が成立していない我が家は対象外です。市の就学援助も受けられません。コロナで18歳以下の子に出た、子育て世帯への臨時特別給付金の10万円はもらいましたが、税金の支払いや保険代、生活費に消えました。

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 この給付金、所得制限がついて、世帯年収が960万円以上は対象外ということで議論が賛否分かれましたが、私の収入から考えたら、はるか遠い世界の話です。それだけ収入があっても足りなくて生活が大変って……。本当に、私のいる世界とは別世界です。そんな話を聞くと、申し訳ないですが共感することができず複雑な気持ちになってしまいます。

みんなサービス残業をやっている職場

 工場勤務の時はぴったり最低賃金と同じ時給でしたし、休業補償はしてくれない、年次有給休暇の権利も認めてくれない。こんな会社やってられるかー!とも思って辞めて、失業保険の給付を受けて職探しをしました。

 ハローワークに通うと、就職氷河期世代向けの就職支援がありました。氷河期世代を正社員として採用すると、企業に助成金が出る仕組みです。支援を受けて、6歳から18歳までの障害のある子を放課後に預かる放課後デイサービスに就職が決まりました。けれど、事件が起こったんです。

 放課後デイサービスはシフト勤務なのですが、早番でサービス残業を要求されたのです。「皆、そうしているから」と。

 私は、従業員を守ることが利用する子どもの安心につながるのだから、労働基準法に則(のっと)って法律を守って欲しいと言ったんです。社長にも、管理職にも。そうすると、「何を言ってるんだ! 皆やっている。できないならシフトに入れないよ」と、えらいことになって。

 労働組合にも相談したのですが埒(らち)が明かず、結局、辞めることに。ハローワークで、しかも、就職氷河期世代支援で紹介された会社ですよ。