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NHK ロンブー淳の番組『スポヂカラ!』で「偽店長」の感動ストーリーを放送…判明後に隠蔽の疑いも

NHK ロンブー淳の番組『スポヂカラ!』で「偽店長」の感動ストーリーを放送…判明後に隠蔽の疑いも

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誤った内容を放送し視聴者からの指摘も。NHKの対応は…

 番組では店を出した経緯などが概ねこう説明される。

〈郷土料理店を出そうと決意。しかし東京で新たに店を開くのは、簡単なことではなかった。手を差し伸べてくれたのが、都内に住む奄美出身者のコミュニティーだ。知人の店を引き継がないかと紹介され、念願の店をオープン。しかし、それから1年、コロナで客足が伸びないまま、時間が過ぎて行った。そんな時、届いたのが、奄美の高校生たちの新聞だった〉

 ナレーションと抒情的なBGMにかぶさって、A氏の前職の鉄道会社時代や奄美の仲間の写真が次々と映し出されてゆくが、

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「Aさんが店長ではないので、店を出したという話も嘘。店に料理人として入ったのも昨年末なので、『1年、コロナで客足が~』という表現もおかしい」(同前)

店を出したのはA氏ではない(放送時のNHK BS1『スポヂカラ!』より)
A氏が店で働きだしたのは昨年12月からである(放送時のNHK BS1『スポヂカラ!』より)

 だが問題はこれでは終わらなかった。NHKには放送後しばらくして、視聴者からサービスセンターに「事実ではない」と指摘があったという。すると――。

「制作側は誤った内容を放送したにもかかわらず公表せず、内々に対処したのです。NHKは取材を行った制作会社テレビマンユニオンや店のAさんと話し合った。そしてNHKには局の内部だけで見られる番組アーカイブがあるのですが、ナレーションを録り直し、8月中に映像を修正した。今後再放送される際には、修正版が流れる仕組みです」(別の局員)

 この修正で、〈料理店を営む〉〈店長〉などの字幕や、事実と異なるナレーションを削除。代わりに〈郷土料理店を出したいと思ったものの……〉〈料理人として働かないかと声をかけられた〉などの文言が入った。