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「あーまたお熱か…仕事どうしよう」

 とスケジュールが自分の思い通りにならないことへのいら立ちを抱えながら、心の中では「病気のときくらい一緒にいてあげたい!」という胸がつかえるような思いと闘うせつない時間。

 そんなとき、

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「具合が悪い子どもを人にあずけてまで…」

 という言葉が、どれほど辛く響くことか。そしてこういう批判的な視線は、主に母親が受けることになります。

「お母さんは家事をして子どもの面倒を見るのが普通」

 誰かが明確にそう言ったわけではなく、むしろ公には真逆のことが言われています。お子さんを持つ人々をサポートして女性活躍推進を! と自治体にも多くの会社にも制度としてはワーキングペアレンツを支援しようという動きがある。

 けれど一方で、「子どもが小さいうちはママが一緒に」と暗にメディアや周囲の人々にほのめかされたり、誰かの無記名の投稿を目にすることも日常茶飯事。

©iStock.com

母業を完璧にこなせない自分を責めてしまう原因

 たとえばコマーシャルのワンシーン。赤ちゃんにミルクをあげたりおむつを取り替える女性。ベビーカーを押して買い物に行くのも女性。たとえばタレントさんのSNSに寄せられる「できあいのものばかり食べさせて子どもがかわいそう」「お子さんを置いて女子会なんて優雅ですね」というコメント。

 時代に取り残された広告会社のおじさんたちの妄想なのか、誰かを傷つけてスッキリしたい人たちの悪意なのか、それとも単なるリテラシーの欠如なのかわかりませんが、見ようと思ったわけでもなくふと目に入ってきてしまう情報には「そういうものなんだ」と思わせるに充分な力があります。

 そんな積み重ねも「子育てはママ」という空気を醸成し、女性たち自身が旧態依然とした母親像に自分を当てはめ、母業を完璧にこなせない自分を責めてしまう原因のひとつ。お母さんはずっと家事をして子どもの面倒を見ているのが「普通」で、ひとりの人間として仕事をすることにもおしゃれをすることにも友達と食事に行くことにも、なんとなくいつも罪悪感を感じていなければならない。その刷り込みを払拭することはとてもむずかしくて、お母さんである本人がよほど強く意識しないと飲み込まれてしまいます。

 もし罪悪感にとらわれそうになったら、自問自答してみてください。

 私、何か悪いことをしているのかな?