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「時代に取り残された広告会社の妄想なのか」CMでベビーカーを押すのは必ず女性…“子育てはママ”と決めつける日本の問題点

『男尊社会を生きていく昇進不安な女子たちへ』より #2

2022/11/20

 女性活躍推進法によって「女性管理職」が身近になった。しかし、まだ男性管理職が圧倒的多数を占めるなか、管理職としての仕事に不安や戸惑いを感じている女性は多い。なぜ、女性たちは自らの仕事に不安を感じるのか。どうしたら、男性優位社会の中でうまく立ち振る舞うことができるだろう。

 ここでは、『AneCan』『Oggi』『Domani』(いずれも小学館)などの副編集長を歴任した下河辺さやこ氏の著書『男尊社会を生きていく昇進不安な女子たちへ』(主婦の友社)から一部を抜粋。“子育てはママ”と決めつける日本社会の問題点を紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)

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仕事への責任感と子どもへの愛情は天秤にかけられない

 雑誌『VERY』のカバーモデル、東京大学を卒業後外資系金融企業を経て、独立起業。2人のお嬢さんのお母さまでもある申真衣(しんまい)さん。最初はその美しさと華麗な経歴に興味を持ち、彼女のInstagramや誌面での発信を拝見しているうちに、徐々に飾らないお人柄やクレバーさに惹かれて、他社の雑誌の専属モデルさんながらファンになりました。

 あるとき彼女のInstagramのストーリーズに「娘が熱を出したからシッターさんを手配しなければ」という意味の投稿がありました。私はぼんやり「お熱かぁ、大変だなぁ」と思いながら拝見していたのですが、次の投稿を見たら、どなたかから届いた「お子さんがかわいそう。お熱のときお仕事休めないのかな」というようなダイレクトメールを引用して「私は、子どもが熱を出しても仕事を休めない、と絶望しているお父さん、お母さんたちと心のどこかでつながりたい」と。これにはさまざまな方から励ましのダイレクトメールが届いたようですが、実は私も、なんて素敵なんだろうと感激してメッセージを送ったうちのひとりです。

 仕事への責任感と子どもへの愛情なんて、そもそも天秤にかけられるものじゃありません。仕事ではプロでいたいし、子どもを愛する親である。それは相反することではなく、なんの矛盾もない。

 ただ、1日は24時間しかないし、体力にも限界がある。子どもとの時間をつくるために保育園のお迎え時間までにどうやって仕事をこなすか、時間内に終わらなかった仕事をどうカバーするか、いつでも時計とにらめっこ。子どもはしょっちゅう熱を出して保育園からお呼び出しは日常茶飯事。そのたびに、あちこちに連絡して仕事を調整して、仕事を休めなければ病児保育かシッターさんの手配をします。