27歳の主人公・石見茂子が、必ず定時に退社して趣味である「G(自慰)」に没頭するさまを描いたギャグ漫画石見さんのGライフ』(竹書房)

 さまざまなグッズやシチュエーションを駆使して「オナニー道」を突き進む異色のヒロインを描いた作者の田滝きききさんに、女性のセルフプレジャーについて、また性欲を語ることについて、話を聞いた。

©田滝ききき/竹書房

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――田滝さんが女性の「G(自慰)」を描こうと思ったきっかけはなんですか?

田滝きききさん(以降、田滝) はじめは担当さんから、「セックスの誘い方」という趣味で描いた漫画を商業化するのはどうかという提案があったのですが、すでに他社での連載が決まっていたので「じゃあセックスじゃなくて自慰にしますか」となったのがはじまりでした。

 グルメ漫画のようなノリで、毎回いろんな自慰をする女性を見せるのはどうですか、とそこで提案した気がします。

変化に富んだ「G」のあり方

――「乳首でG」「ラブホでG」「ロボット掃除機でG」など、各話ごとに石見さんが挑戦する部位やシチュエーションが異なるんですよね。

田滝 最初はシャワーやウォシュレットのような“あるある”っぽいところから描いていって、だんだん“ないない”、そして完全に“ない”に流れていった感じですね(笑)。「豆まきでG」という、節分にかこつけて年の数だけ自分でする回があるんですが、そのときはさすがに「自分は一体何を描いているのかな?」となりました。

©田滝ききき/竹書房

――石見さんは27歳ですから、数をこなすのが大変ですよね。

田滝 自分で描いといてあれですけど、「節分だからしよう!」ってならないですよね、普通(笑)。でも、生真面目な石見さんならやりかねないかも、という思いで描きました。

――スタンダードから奇抜なものまで、レパートリーに富んだ「G」の方法が紹介されていますが、ネタ作りはどうやって?

田滝 「角でG」や「枕でG」など、とにかく生活する中で常に「これならどう使えるか?」と考えてネタ作りしました。その中でいうと、乗車中のバスの振動を使ってする回は“あるある”と“ないない”のいいところを突けたんじゃないかと思ってます。