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Aさん さすがに親や職場には言えませんでしたね。同じ性病でもクラミジアは友達にも何人かいて、「クラちゃん」ってギャグにできるぐらいなんですけど、梅毒は見た目に出るので、知り合いに見せると引かれることが多かった。当時は飲食店で働いていたので、手袋をして料理している時はかゆくて仕方ない。肌に模様も出てバレてしまい、気まずさもあって辞めちゃいました。

――飲食店で働いていたんですね。

Aさん 感染しないとは思いますけど、自分でも正直行きたくはないですね(笑)。1回めの時は付き合って4カ月の彼女もいたんですが、症状が出てきて隠しきれなくなり、浮気はバレるし近寄るなと言われるし、結局フられちゃいました。マジで最悪な別れ方でした。

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写真はイメージです ©iStock.com

「まぁキスでも感染ることはあるんですけど(笑)」

――今はさすがに気をつけているんですよね?

Aさん んー、今でも風俗は月2くらいでいきますし、マッチングアプリで会った娘とその日にセックスすることはあるんですよね。ただ、さすがにもう梅毒にかかりたくないとは思ってて、「危ないな」と思う娘は持ち帰れそうでも止めておくというマイルールを作りました。結構わかるものなんですよ。あとコンドームは絶対つけるようになりました。まぁキスでも感染ることはあるんですけど(笑)。

――3回め、ありそうですね……。

 でも2回目にかかった時はさすがに落ち込みましたよ。正直、性病なんて梅毒もクラミジアと同じようなものだと思ってたけど、症状のキツさが比じゃなかったです。かかる若い人多いって聞くんで、かかる前にキツさを勉強して予防した方がいいと思います。自分は2回かかって怖さは知ってるんで。

感染中のAさんの様子。腫れが引いても潜伏期の可能性が高いのですぐに病院へ

――Aさんにとって「梅毒」とはなんですか。

Aさん 名前は知ってましたけど、自分がかかった時は「梅毒って本当にあるんだ!」ってさすがに驚きましたよ。でも「まさか自分が」とは思わなかったです。今も昔も遊び最優先の価値観で生きてて、かかるなら自分みたいなやつだろうなっていう自覚はありましたから。

 一度は下火になった性感染症が再び流行するほどに、日本人の性行動は変化しつつある。せめて個人でできる範囲の防衛だけはしっかりしたいものだ。