〈あらすじ〉
フレンチアルプスの麓にある小さな村、ファイブ・デビルズ。8歳の少女ヴィッキー(サリー・ドラメ)は、母ジョアンヌ(アデル・エグザルコプロス)と父ジミー(ムスタファ・ムベング)との三人暮らし。ずば抜けた嗅覚を持つ彼女は、大好きな人や物の香りを再現し、小瓶に入れてコレクションしていた。
ある日、ジミーの妹ジュリア(スワラ・エマティ)が突然家を訪れる。彼女の香りを調合したヴィッキーは、それを嗅いだ瞬間にジュリアの記憶の中にタイムリープしてしまう。その後もタイムリープを繰り返すヴィッキーは、彼女と母親、そして自分自身にまつわる禁断の秘密を知ることになる。
〈解説〉
香りの能力でタイムリープする少女とその家族、そして封印された愛を描くSFスリラー。レア・ミシウス監督の長編第2作。96分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆嗅覚が特別に発達している少女という設定が珍しいのだが、後半、それが十分に生かされたとは思えず。「母性」の話に?
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆嗅覚の鋭い超能力少女の眼を借りつつ、ホラーや幻想譚の枠を超えた世界を創出する。ローヌ山間部の風景がゴージャス。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆何が悪魔か、狭い村の意識の拘束には猛烈に腹が立つ。タイムリープの不思議も吹き飛ぶ家族、性、愛の表現に弄ばれた。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆尖鋭化した『ツイン・ピークス』か。ホラーやスリラーの作法に則りつつ、閉鎖的な村に世界の諸問題を濃縮して映し出す。
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洞口依子(女優)
★★★★☆ホラー、タイムリープ、フェミニズム等ジャンルを超え仏のエスプリの効いた構成、映像、演技。嗅覚は原始的で平等。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『ファイブ・デビルズ』(仏)
11月18日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
https://longride.jp/fivedevils/