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河川敷のポリバケツには“21歳女性の一部”が…前科3犯男が招いた「デートクラブバラバラ事件」の無情

『昭和の凶悪殺人事件』 #2

2022/11/27
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頭部はすでに見つかっていた

「男に預けた215万円を使い込まれたので、取り返してほしい」

 経営していたマッサージクラブで働く綾からそう頼まれたことが、そもそもの犯行のきっかけだった。

 強面の川越は、すぐに綾の「前の恋人」である池田と交渉して現金の返済を受けた。しかしそのカネを、川越はマンションの家賃や飲み代に使い込んでしまう。

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「約束が違うでしょ。人のカネを使い込むなんて人間じゃない。あんたの店がやってる違法行為、警察にみんな喋ってやる」

 川越がカネを使い込んだことを知った綾は、彼を口汚く罵(ののし)った。それで逆上した川越は、綾の横腹を蹴り上げたうえで馬乗りになり、首を絞めて殺害していた。

 続いて川越は風呂場でパンツ一枚の姿になり、彼女の遺体を包丁と金鋸の刃を使って切断。頭部と手については岸壁から海に投げ捨て、その他の部位はポリ容器に入れてB市の竹藪に捨てたのだった。

 彼女の頭部については、事件発覚の3カ月前にK市の海岸に打ち上げられ、身元不明の死体として扱われていたが、川越の証言を受けて綾の生前の顔写真と照会された結果、本人のものであることが確認された。

 こうした執念の捜査の結果、川越は事件発覚から1年半後に殺人と死体損壊遺棄罪で起訴されたのである。
 

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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