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「ドイツ戦の勝利は奇跡ではない」“マイアミの奇跡”を経験した城彰二が語る、森保ジャパンとアトランタ五輪代表の“決定的な差”

城彰二が見るカタールW杯とサッカー日本代表 #2

2022/11/25

コスタリカ戦のキーマンになるのは?

――次のコスタリカ戦がグループリーグ突破においては、非常に重要になりますね。

 コスタリカはスペインに0-7で負けたけど、守備が整理されていなかったんです。前の選手はボールを前線から取りに行きたいけど、守備陣は慎重にプレーし、ディフェンスラインを押し上げなかった。選手間の意識がバラバラな感じで戦っていたので大量失点をしましたが、こういう大敗したチームって逆に怖いんです。

 7失点してグループリーグの突破は、かなり難しくなってきたけど、もう一回整理して戦おうとか、逆に開き直ってワールドカップで1勝を持ち帰ろうぜとか、そういう方向でまとまっていくと、日本にとっては難しい試合になります。

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 もともと守備で粘るチームですからね。日本は、決勝トーナメント進出に向けて勝ち点3を奪いに行きたいところだけど、逆に勝ち点0という可能性もあります。それが一番こわいですね。コスタリカとは実力差があるし、日本は主導権を握れると思うけど、勝ち点1を必ず獲るという戦い方をしつつ、勝ち点3を狙う意識で戦えればと思います。

コスタリカ戦でも必ず勝ち点を獲る必要がある ©JMPA

――コスタリカ戦、日本代表でキーマンになり得るのは、誰になりますか。

 日本は、中盤の構成が重要だから、その意味で遠藤が重要になってきますし、ドイツ戦でのパフォーマンスがもう一回出来ればと思うけど、かなり疲労度が大きいと思うんです。ベスト8までを考えると、まだ3試合あるので、遠藤を休ませるとすれば守田(英正)が入ってくるのかなと予想しています。

 もうひとりは鎌田(大地)ですね。ドイツ戦では思うようなプレーができなかったせいか、勝ってもあまりうれしくない感じに見えました。それはたぶん、自分が点を取って、いい働きをして勝ちたいという野心の表われでもあったと思うんです。そのくらいの実力はあるので、次は鎌田に期待したいですね。

コスタリカ戦での活躍に期待がかかる鎌田大地 ©JMPA

――コスタリカ戦のスコアは、どのように予想しますか?

 日本は主導権を握れると思うんで、そこからの崩しがどうなるかっていう部分では、ドイツ戦とは違った難しさが出てくると思います。個人的には、拮抗したいい試合になると思いますね。そこで日本が勝つなら1-0かなと思います。逆に相手に先制されると、持ち味の堅い守備にハメられてしまうので、その逆のスコアになってしまう可能性も出てくるかなと思います。コスタリカはスペインに0-7で負けているからと舐めてかかると痛い目に遭うので、とにかく試合は慎重に入るべきでしょう。

(取材・文=佐藤俊)

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