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 事情聴取などを経てA子さんはその場で児童相談所に一時保護となり、まだ自宅には帰って来ていない。中学3年生ということもあり今後について面談に行くと「何でもいい」と無気力に答えたという。

トー横がなくなれば「時間稼ぎはできます」

 なんとか高校に進学したとしてもA子さんの状況が変わらなければ高校も退学することになる可能性は高い。児相の担当者に「お母さんが頑張っているのは分かっています」と慰められたというが、一向に状況が改善する兆しはない。

椅子やスーツケースを持ち込んで広場の一角を占拠するキッズたち

「A子のことを心配しないでいい日が欲しいと思うぐらい追い詰められていたので、一時保護された時は正直安心しました。しばらくA子が危ないことをする心配はないわけですから。今はとにかく、トー横の問題を早く解決して欲しいです。『トー横という場を潰しても、第2、第3のトー横が生まれるから解決しない』と言われますが、次が生まれるまでの時間稼ぎはできます。その間にA子が高校に行って夢中になれることを見つければ『トー横なんていいや』となるかもしれませんし」

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 自分の娘がトー横キッズになったという悩みを周囲に打ち明けることもできず、A子さんの母親は苦しみ続けている。

かなり幼く見える少女がスーツケースを持って広場を訪れることも

「トー横キッズのニュースを見ても、特別に家庭環境が問題だったり、学校でいじめられたりと“問題を抱える子”の話だと油断していました。彼らは口をそろえて『親うざい』『家出したい』『学校嫌い』と言いますが、全員が親に殴られているというわけでもないはずです。『親がうざい』と言わないと仲間の中で浮くこともあるでしょうし。私がうちの環境はそんなに酷くないと油断して、呑気にA子を信頼していたことが、キッズになる予兆に気づかなかった最大の理由だと思います」

 後悔もあるが、仮に予兆に気づき止めたとしても、隠れて行くのを防げた自信はない。トー横という“居場所”が存在する恐ろしさはここにあると母親は語った。

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