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「恋愛禁止という言葉が風化するきっかけは間違いなく峯岸の丸坊主謝罪です。『やりすぎでは』と世界規模で批判が殺到しました。それ以降、幾度となく熱愛が取り沙汰されたが、運営は完全にスルー。大々的に処分することはなくなった。それと同時に恋愛禁止を口にする人は減っていきました」

左から山本彩、向井地、松井珠理奈 ©️時事通信社

“恋愛禁止の風化”に岡田が危機感をもった「あの大事件」

 しかしその流れとともに、AKBの人気も低下していった。そこで危機感を持ったのが岡田なのだ。

「2017年のAKB総選挙でNMB須藤凛々花がした結婚宣言に全員が衝撃を受けました。ファンがCD購入と引き換えに得た券での投票後にもかかわらず、『結婚します』と発言したわけですから。ファンに感謝を伝える場でもある総選挙のスピーチでの結婚宣言に、岡田は正面からぶつかった。ファンを思い真面目に活動してきた岡田にとっては許せない言動だったのでしょう」

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須藤凛々花

 そんな岡田が自らその掟を破った。しかしAKBを長年追ってきたアイドル誌ライターが問題視したのは、岡田の熱愛よりも向井地の冒頭の発言だ。アイドル誌ライターは「野暮ですよ」と厳しい意見を向けた。

「恋愛禁止は曖昧にしておくことが安牌」

向井地美音

「向井地は恋愛禁止というルールが『曖昧になっている』と切り込みましたが、時代が変わったとしても、今までのAKBの歴史や売り方を考えると曖昧にしておくことが安牌なんです。先輩たちの処分は何だったのか、恋愛を解禁にしたいのではという非難の声が出てしまうことは至極当然でしょうね。

向井地のTwitterより(11月20日)

 運営からしても菊地から始まり今まで取ってきた対応に矛盾が生じかねなく、向井地が言うようにハッキリさせるということは“無茶な注文”というわけです。そもそも恋愛禁止はAKBにとって大事な演出装置。極論を言うと、メンバーの熱愛が発覚して、世間の批判が集まり、当事者が処分されることも、AKBをドラマチックにみせるための演出になっていたわけですから」