「なんで車にそこまで?」

 世間からの驚嘆の声も、好事家の耳には賞賛と響く。他人には理解しえないコダワリに人生を賭ける、カスタムカーオーナーの酔狂な実態とは⁉

 今回は、『ソードアート・オンライン』仕様の86に乗る「はち」さんをご紹介。

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痛車仕様の86に乗る「はち」さん

「好きなキャラが映える車」を目指して

 物心つく頃から、ショベルカーとかダンプトラックとか、いわゆる「働く車」が大好きでした。それからスポーツカーに興味を持ちはじめたのは、小学生の頃だったと思います。

 近所に住んでいた友達のお父さんが、当時発売したばかりのフェアレディZを買ったんですよね。実際に動いているところを見せてもらったり、毎日眺めたりしているうちに、自然とそういう車に惹かれるようになりました。

ボディ全面に『ソードアート・オンライン』(SAO)のステッカーを貼る(車両はイベント展示用の状態)

 この86も、もともとは痛車にするつもりで買ったのではなく、純粋に走りを楽しもうと思って選んだんですよ。ただ86を買ってから、アニメ趣味の仲間うちで、痛車に乗る人が増えていったんですよね。それで、みんなが痛車ライフを楽しんでいるのを見て、自分もやってみるかと。

 それでもやっぱり、実際に始めるのはなかなか勇気が必要でした。最初は小さなステッカーを給油口に貼るだけだったのですが、それでも結構目立って恥ずかしいんですよね。でも、乗っているうちに羞恥心がどんどんマヒしてきたのか、最近は周りの目もまったく気にならなくなりました。

助手席側には「アリス」というキャラクター。SAOの第4部である「アリシゼーション」編のヒロインだという

 この車は痛車にする前からカスタムしていたんですが、ステッカーを貼るようになってから、さらにカスタム熱が高まった気がしますね。「好きなキャラがもっと映えるように」と、ベースになる車体の方ももっと格好よくしたいと思ってしまうんですよ。

 その際こだわっているのは、「見ても走っても楽しい」というポイントです。車高を落としている車って、キャンバー角をつけたり、タイヤを引っ張ったりしてフェンダーに収めていることが多いじゃないですか。でもそれだと、走行性能を保つのが難しいので、この車は適正サイズのタイヤをしっかり接地させているんですね。

 普段の生活と収支バランスを取りながら痛車趣味を楽しんでいる

 あとは内装も統一感を出すために結構手を入れていますし、カスタムだけで300万円くらいは使っていると思います。それでも、ガチの人からすると全然なんですけどね。自分は製造関係の企業で会社員をしていますが、生活とのバランスを取りながら弄っている方だと思います。

 今後も痛車に乗りつづけるつもりですが、そろそろステッカーの寿命が来そうなので、来年あたりまた別の作品を貼ろうかなと。たくさんのアニメを見ていると、やっぱり「推し」も変わっていきますしね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。