今年は、横浜ゴム・山石昌孝社長(60)のパパ活やENEOSホールディングス・杉森務会長(67歳)の性的暴行など、企業経営者の「プライベートのトラブル」がたびたび世間を騒がせました。
社会的地位が高く、注目度が高い経営者は、公の場ではクリーンなイメージを保とうとします。しかし、人間は誰しも、「表と裏」があるもの。プライベートでは、大なり小なりダークな部分があります。
経営者は、プライベートにおいても清廉潔白であるべきでしょうか。経営者のプライベートは、会社にどういう影響を与えるのでしょうか。経営者のプライベートは、どうあるべきでしょうか。取材結果をもとに、解説していきます。
大手企業は影響なし?
8月に「一身上の都合」で辞任を表明していたENEOS・杉森務会長が、その前月に沖縄県の飲食店で女性店員に性加害に及び、骨折させるという事件を起こしていたことが週刊新潮の報道によって明らかになりました。
私事ですが、筆者はENEOSの前身・日本石油に1988年に入社し、当時、新人教育の担当をしていた杉森氏に、社会人の基本を教わりました。恩人をこんな形で取り上げるのは気が引けますが、ENEOSの社員・OB約20名に今回の事件をどう受け止めているかを尋ねました。
皆一様に「驚いた」「残念」とは言っていましたが、「骨折させるまでやるか」と驚いていただけで、杉森氏が事件を起こしたこと自体については、至って冷静に受け止めていました。
「杉森さんはパワハラ体質の人だし、毎晩飲み歩いていたみたいだから、ああいうトラブルを起こしても、そんなに意外性はありません。元々彼は労務屋でお酒が強かったはずですが、歳を取って弱くなっていたみたいですね」(50代・男性)
「杉森さんは、自身が入社した時の新人研修の最初の挨拶で『(一橋大出身の)私は東大の屁理屈麻雀にも、慶応のお坊ちゃま麻雀にも負けません。麻雀と酒なら束になってかかって来てください』と言い放った、根っからの“ザ・昭和サラリーマン”。酒席の失態で引退というのは実に彼らしい」(60代・男性)