快適な毎日を送るためには欠かせないゴミ捨て。しかし、ゴミの種類ごとの分別やルールは、住む場所によって細かな違いがあるため、引っ越すごとにその地域のゴミ捨て作法を守らなければならない。そんな複雑かつシビアなルールのもとで執り行われているのが、日本のゴミ回収だ。

 また、ゴミ捨てに対するモチベーションにも住民間で差があり、その温度差がご近所同士のいざこざに発展するケースも少なくない。そこで本稿では、過去に“ゴミ捨てトラブル”に見舞われた人々に話を聞いた。

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回収日を無視する家庭に注意をしたら…

 永山舞子さん(仮名)の地域では、1カ月交代制のゴミ集積所担当システムを採用している。エリア内にある家の前がゴミの集積所となり、その家の住人が1カ月間ゴミ集積所の掃除やゴミネットの準備などを行うという。その月は、永山家が管理を担当していた。

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「うちの可燃ゴミの回収日は、火曜と金曜。大半の家庭は、その曜日を守ってくれるのですが、ある家庭が回収日を無視してゴミを捨てていったんです。その日は木曜だったので、カラス避けのネットを用意しておらず、ゴミがカラスに荒らされてしまいました」

 突如破られたゴミ出しルール。それとなく永山さんが近所に探りを入れたところ「永山家の斜向いの住民が、今朝ゴミを捨てるのを見た」という目撃情報が得られた。

「犯人が判明し、注意するためにその家に伺いました。玄関に出てきた奥さんに、回収日を守ってほしい、とお願いすると、先方も恐縮しながら『すみません、以後気をつけます』と言ってくれたのですが……」

 永山さんが直接注意を促した翌日。なんと、彼女の家の庭に見覚えのない生ゴミが投げ込まれていたという。

「バナナの皮や野菜クズが庭中に散らばっていたんです。きっと昨日注意したことに対する嫌がらせだ、と思い、またすぐにその家に行きました。でも『もしかして、うちの庭にゴミを捨てましたか?』と訊いても、知らないの一点張り。これ以上問い詰めれば、ご近所関係が悪化してしまうと思い、仕方なく引き下がりました。

 しかも、その後も3回ほどゴミ回収日を無視されたので、その都度注意しなければならなかったのは面倒でしたね」