ゴミが投げ込まれたのは正しい回収日の金曜だったが「そういうことではない」と永山さん。永山さんは根気強く、先方に冷静に注意を促した。ちなみに現在は、回収日が守られているという。
「ゴミの投げ入れの真相はわかりませんが、やはり彼女以外考えられません。できるかぎり穏便にお願いしたつもりでしたが、何かが癪に障ったんでしょうね。気に食わないならその場で言い返せばいいのに、顔を合わせているときは恐縮しているんです。本心が見えなくて怖いです……」
持ち家の場合、たとえ近隣住民と折り合いが悪くとも、おいそれと引っ越しはできない。わだかまりが残ったまま、ご近所付き合いは続いていくのだ。
自治会脱会後に起きたゴミトラブル
日本の市町村には「自治会」や「町内会」と呼ばれる組織がある。地域によって違いはあるが、複数の班で構成され、防災活動や防犯パトロール、公園の清掃など、さまざまな活動を通して、住民の交流や地域づくりを図る組織だ。そんな自治会で会長を務める園田守さん(仮名)のエリアで発生したのが、自治会員の集団脱会だった。
「『自治会費を払いたくない』という理由で4班の会員が、丸ごと脱会を申し出てきました。自治会の加入は強制ではないし、そのまま脱会させましたが、抜けるにあたって『自治会のゴミ集積所は使えなくなる』という注意事項を伝えたんです。非会員がゴミを捨てると、会費を払っている住民のみなさんから苦情が来ますからね」
園田さんの地域では、自治会がゴミ集積所の管理を担っている。集積所は自治会所有の土地にあり、管理に必要な費用は自治会費から捻出しているため、非会員の利用は原則認められない、とのこと。
「自治会員ではない元4班の住民たちは、ゴミ処理場に捨てに行かなければならないんです。にも関わらず、彼らはしれっと集積所にゴミを捨て続けています。自分たちの意志で自治会を抜けたのに、ゴミだけ捨てたいなんて虫のいい話はありませんよね。
彼らのゴミ出しを阻止すべく早朝から集積所に張り込んで、4班の人がゴミを捨てに来たら、そのまま持ち帰らせています」